長谷工コーポレーションとテクトム、AIで加速する「自走型DX」人材育成プログラムを開始
長谷工コーポレーションとテクトムは、AI(人工知能)を活用して、建築設計のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるための人材育成プログラムを開始しました。
このプログラムでは、設計者がAIを使いこなし、自ら業務を改善していく「自走型DX」の実現を目指します。テクトムが提供する建築設計AIプラットフォーム「Tektome Platform」をさらに活用していくことで、この目標の達成を加速させます。

DX人材育成プログラムの開始
長谷工コーポレーションの社内で始まったDX人材育成プログラムでは、設計者が「Tektome Platform」上のAIに自然な言葉で指示を出し、建築情報データベース「MetiS」を自分で作り、運用する力を身につけることを目的としています。
テクトムは、このMetiSの土台を提供したり、具体的な活用例を開発したりするだけでなく、ワークショップ形式の授業を通じてプログラムをサポートし、人材育成の効果を高めています。この取り組みによって、将来的に設計の仕事を効率化し、設計者がもっと創造的な業務に時間を使えるような環境づくりを進めていきます。
これまでの取り組みとユースケースの進捗状況
今回のプログラム開始は、長谷工コーポレーションとテクトムがこれまで協力して進めてきたプロジェクトの成果が基盤となっています。
両社は、2024年7月のTektome Platform採用発表以降、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などの設計データを基にして、統合された建築データベースを作ったり、自動設計に向けた取り組みを進めてきました。

長谷工コーポレーションが考える「MetiS」の計画では、STEP 01の基盤づくりが終わり、現在はSTEP 02の自動品質チェックとSTEP 03の自動設計が進められています。これらは、DX人材育成プログラムで育った社員が自分でAIを活用していくための具体的な方法となります。
各STEPの取り組みは以下の通りです。
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STEP 01:長谷工版BIM統合データ検索
- 設計トレンド分析: 図面データから、どのような仕様や技術が使われているかをAIが自動で探し出し、まとめて分析します。その結果をダッシュボードで見やすくして、今進めている設計に役立てる仕組みを作っています。
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STEP 02:自動品質チェック
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BIMモデルチェック: これまで人が知識と経験で確認していた図面の内容を言葉にして、BIMモデルが条件を満たしているかをAIが自動でチェックする検証が進められています。チェック結果はPDFレポートや3Dビューワーで確認できるようにしており、今後、より多くのチェック項目やモデルに広げていく予定です。
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2D図面チェック: AIに指示を出すだけで、PDF図面の中の文字や数字、表のデータが合っているかを確認する検証が進められています。「Tektome Platform」上で確認の流れをテンプレート化することで、チェック項目を増やし、実際の業務で使えるようにしていきます。
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STEP 03:自動設計
- 長谷工版BIM統合データとの連携による自動設計: 3次元モデルをAIが自動で作り出すシステムについても、統合データを使った検証が進められています。
自走型DXへ向けた社内展開
長谷工コーポレーション社内の育成プログラムが始まったことで、具体的な活用例の開発と人材の育成を両方から進める新しい段階に入りました。

建設業界でDXを進めるには、AIの活用と人の役割分担をどう進化させるかが大切な課題です。設計者がもっと創造的な仕事に時間を使うためには、AIを使いこなす知識が不可欠です。今回の育成プログラムは、そのような知識を持った人材を育て、「MetiS」を自分で運用できる体制を作ることを目指しています。
プログラムでは、テクトムのサポートのもと、「Tektome Platform」を使った実践的なワークショップが行われています。設計者自身がプラットフォームの操作やデータベースの活用を体験しながら、どのように設計業務に応用できるかを話し合い、検討しています。
「設備白書」データベースの充実や、図面内の問題点をAIが自動で見つけ出してため込むことで設計ミスを防いだり、知識を共有しやすくしたりする取り組み、現場写真データの活用など、さまざまなアイデアを実際の業務で形にしながら、DX人材による自走をさらに加速させていきます。
株式会社テクトムについて
株式会社テクトムは、建築設計AIプラットフォーム「Tektome」を提供するAIソリューション企業です。最先端のAI技術を組み合わせ、企業独自の建築設計データをもとに、建築設計における技術の引き継ぎや生産性の向上をサポートするプラットフォームを提供しています。テクトムでは、建築設計に関するAIの研究開発を続け、たくさんの設計ノウハウから技術を引き出すAIによる建設DXを実現しています。
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