トンネル設計を効率化する新機能が三次元道路設計ソフト「STRAXcube」に登場

パシフィックコンサルタンツ株式会社と株式会社三英技研は、共同で三次元道路設計ソフト「STRAXcube」にトンネルのパラメトリック設計機能を実装しました。この新機能は、これまでトンネル設計で課題となっていた手作業の多さや、設計者の経験に頼りがちな部分を大きく改善することを目指しています。

新機能の開発は、パシフィックコンサルタンツが現場で感じる設計上の課題を三英技研に伝え、両社で話し合い、試作と検証を繰り返すことで実現しました。これにより、設計の正確さや仕事の効率が上がるだけでなく、ベテランの技術を若い世代に伝えることにも役立ち、道路やトンネルの分野全体の生産性向上と品質維持に貢献すると期待されています。

STRAXcubeの3Dモデル

「STRAXcube」とは

「STRAXcube」は、三英技研が提供する、道路設計を三次元で行うことができる高精度なCADソフトウェアです。CADとは、コンピューターを使って設計を行うためのソフトのことです。

このソフトは、地形図の三次元編集、道路の線(線形)の入力や調整、最適な道路ルートの選定、道路の詳細な設計、さらには道路を走行するシミュレーションなど、さまざまな機能を持っています。設計の全ての工程をスムーズにつなげることができ、設計全体の流れを効率化できるのが大きな特徴です。また、設計したデータをそのまま三次元モデルとして活用できるため、土を削ったり盛ったりする計算、斜面の作成、交差点や建物の三次元化、工事に必要な材料の数量計算の自動更新など、従来のCADソフトよりも大幅に高い生産性を発揮します。

新しく実装された機能

今回、「STRAXcube」に追加された主な機能は以下の3つです。

建築限界根拠図作成機能

トンネルの設計では、トンネルを通る乗り物がぶつからないための最低限の空間(建築限界)を決めることが出発点となります。この機能では、「道路構造令の解説と運用」という国の基準に沿いながら、地域ごとの運用方法や設計者の考え方によって少しずつ異なる項目を選び、設定することができます。経験の浅い設計者でも迷わずに使えるように工夫されており、設定した建築限界は、それぞれの数値の根拠や正確な二次元の座標データとして出力できます。

シールドトンネル内空断面検討機能

「STRAXcube」の、道路の線形に合わせて三次元的に変化する建築限界を自動で描くことができる特徴を活かした機能です。これによって、トンネル全体の最適な断面を検討できます。シールドトンネルの計画条件に合わせて、必要な設備を選んで配置し、建築限界とそれらを全て含む最小の円を自動で計算します。さらに、「STRAXcube」では道路の線形とトンネルの断面データが一体になっているため、道路計画が変わった場合でも、自動で断面の検討を更新することができます。

山岳トンネル坑口位置検討機能

「STRAXcube」の高精度な三次元の地形計算機能を使い、三次元の地形と道路の線形を同時に見ながら、トンネルの入り口(坑口)の位置を検討できる機能です。トンネルの断面の形、土を扱う範囲の幅、入り口の形状、後ろ側の切り土、壁の形などを細かく設定することで、地形に合わせたトンネル入り口の構造を自動で作成できます。これにより、複数の設計案を比較検討する作業も効率的に行えるようになります。

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