新型ドローン「Antigravity A1」で屋内空間の三次元データ化を加速、実証実験で即戦力性を確認
短時間飛行で屋内大空間を三次元データ化、Antigravity A1の実用性を確認
高山ドローンリサーチ株式会社と株式会社アイ・ロボティクスは、新型小型ドローン「Antigravity A1」を使った三次元データ生成の共同実証実験を実施しました。この実験は、アイ・ロボティクスが運営する「ドローンフィールドKAWACHI」で行われ、約5分という短い飛行時間で、屋内大空間の点検や計測に役立つ三次元データが取得できることが確認されました。

実証実験の背景とAntigravity A1の特長
これまでの屋内空間における三次元計測や点検作業では、ドローンのサイズや重さの制限、操縦の難しさ、そして作業時間の長さが大きな課題でした。特に、GPSが使えない工場や倉庫、トンネル、上下水道のような場所では、ドローンを使った作業の実用化が難しい状況でした。
今回の実証実験では、軽くてコンパクトな「Antigravity A1」を使用し、これらの課題を解決できるかどうかが検証されました。
Antigravity A1は、360度全方向を8Kの高画質で撮影できるドローンです。機体にはデュアルレンズの360度カメラが搭載されており、飛行中にドローンの周りすべてを同時に記録できます。このため、飛行中にカメラの向きを細かく意識する必要がなく、撮影後に必要な視点を自由に選べるのが大きな特長です。
また、飛行時の重さが約249gと非常に軽く、持ち運びやすく、すぐに使えるのもポイントです。専用のゴーグルやコントローラーを使うことで、操縦者の動きに合わせて視点を動かせるため、飛行操作と視点制御を別々に柔軟に行うことができます。衝突を避けるための機能も備わっており、視界が悪い屋内や閉鎖された場所でも安全に飛ばせるように設計されています。

Antigravity A1が今回の実証実験で選ばれたのは、従来のドローンとは異なる撮影方法にあります。一般的なドローンでは、操縦者がカメラの向きや機体の姿勢を常に意識して撮影する必要がありましたが、Antigravity A1は360度すべてを同時に記録するため、撮り逃しが少なく、操縦者は飛行の安全に集中できます。これにより、必要な情報を一度の飛行で確実に取得できるという大きなメリットがあります。
8Kの高解像度360度映像は、撮影後に視点を変えられるため、三次元の点群データを作る際にも有効です。空間内の構造物や壁、天井などの情報を広範囲に含んだ映像データを得られるため、より詳しい三次元点群データを作成しやすくなります。
実証実験で得られた成果
今回の実証実験では、Antigravity A1を使って三次元点群データを取得する上で、実用化に向けた複数の成果が確認されました。
まず、約5分間の飛行で、三次元点群データを作るのに十分な量のデータが得られることが分かりました。短い飛行時間でも空間全体の形を把握できる点群が作れたことは、「実用的な点群データを得るには長い飛行時間が必要」という従来の考え方を見直すきっかけとなるでしょう。
次に、操縦スキルについても、特別な技術がなくても安定してデータを取得できることが確認されました。操縦者の経験に頼らずに運用できるため、点検や計測の仕事で人手が足りない問題を解決したり、作業のやり方を統一したりするのに役立つと期待されます。
さらに、作成した点群データは、そのままでは一部に密度の差が見られましたが、メッシュ化という処理を行うことで、見た目の粗さがなくなり、点検や空間の様子を把握するのに十分な精度があることが分かりました。点群とメッシュを使い分けることで、実際の業務での活用範囲が広がることが示されています。

PIX4Dmaticを使った解析結果では、バスケットコートのラインや壁の構造がはっきりと再現されており、この方法が空間の形を把握したり、点検したりするのに有効であることが視覚的にも確認できます。
今後の展望とパートナー募集
今回の実証実験を通じて、現在の成果に加え、さらに技術を進化させるための課題と今後の方向性が明確になりました。これは、現在の方法の限界を示すものではなく、実際の業務で使える精度や再現性を高めるための改善点と位置づけられています。
今後は、360度全方位撮影データを最大限に活用するためのデータ選別の方法や、前処理の工夫を進めることで、点群データの密度を均一にし、再現性を高めていく方針です。また、今注目されている新しい三次元表現技術であるガウシアン・スプラッティング(3DGS)への応用も視野に入れ、点群、メッシュ、3DGSといった複数の三次元表現を、用途に応じて使い分けられるように整理していく予定です。
高山ドローンリサーチとアイ・ロボティクスは、「短時間で簡単に、現場で本当に役立つ三次元データ取得」を目指し、今後も共同研究を続けていくとしています。
両社は、屋内大空間やトンネル、地下施設などの閉鎖空間での点検や計測業務を主な対象として、実際の運用を前提とした検証を一緒に進めてくれるパートナー企業や団体を広く募集しています。
また、現場への導入を検討している事業者や施設の管理者からの相談も歓迎しており、実際の業務の流れや条件に合わせた検証を通じて、導入の可否や課題の整理に役立つ取り組みを進めていきたい考えです。
さらに、三次元計測や解析の技術をさらに深め、社会で広く使われるようにしたい技術者の方々の参加も期待されています。
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高山ドローンリサーチ株式会社: https://www.tdr-drone.co.jp/
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株式会社アイ・ロボティクス: https://irobotics.jp/


