GRIFFYと東洋熱工業、iPad Proでスリーブ検査を効率化するアプリ「SLEEVY」を共同開発

株式会社GRIFFYと東洋熱工業株式会社は、建設工事で設備配管の貫通孔を確保するために埋め込む筒状の管(スリーブ)の検査業務を効率化し、精度を高めるアプリケーション「SLEEVY(スリービー)」を共同で開発しました。この技術は現在、特許出願中です(出願番号:特願2026-004614)。

「SLEEVY」は、iPad Pro 1台だけで検査の全ての作業を終わらせることを目標としています。これにより、現場の生産性を大きく向上させることを目指しています。現在、東洋熱工業が工事を行っている現場で実際に使ってみる実験が進められており、2026年中に提供が始まる予定です。

将来的には、現場で得られるデータの使いやすさと一貫性をさらに追求するため、業界大手の施工管理サービス「SPIDER+」との連携も検討されています。この取り組みを通じて、図面の管理から検査の記録までを切れ目なくつなぐデジタル検査の仕組みを作り、現場管理者の仕事の負担を大きく減らすとともに、新しいデジタル検査の文化を作り上げていくための協力体制を築いていくとのことです。

SLEEVYの利用イメージ

開発の背景

設備工事の過程で必ず行われる「スリーブ検査」は、建物の品質を保つために欠かせない確認作業です。しかし、この検査は非常に多くの手間がかかり、外部に委託することも少ないため、施工管理者が本来集中すべき管理業務を圧迫する原因となっていました。

特にスリーブ検査は、コンクリートを打つ前に行う「墨出し検査」と、コンクリートを打つ直前の短い時間に行う「取り付け確認」の2段階で構成されます。全てのスリーブを検査する必要があるだけでなく、広い現場での階層移動や、狭い場所や高い場所での繰り返し作業が多く、身体的な負担や時間のロスが大きな問題でした。

もし検査に漏れがあり、手直しが必要になった場合、多額の費用や工期の遅れに直結します。そのため、現場の担当者は非常に強い時間的なプレッシャーの中で作業を行っているのが現状です。

「SLEEVY」の概要:ARとクラウドで検査業務を完結

「SLEEVY」は、AR(拡張現実)技術とクラウドシステムを使い、検査の正確さと効率を大きく向上させます。

AR活用による検査の精度向上

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトから取り込んだスリーブのデータを、実際の映像にARで重ねて表示しながら、スリーブが設計通りに施工されているか、また取り付け状況を確認できます。これにより、今まで検尺ロッドを使った計測や紙の図面確認、チェックシートへの記入といった一連の身体的な作業を、タブレットの操作に集約できます。その結果、検査にかかる時間を短くすることが可能です。現場に書き出されたスリーブの墨(施工位置)が設計値とずれていないかをARで重ねて表示することで確認できます。

クラウドによる効率的な確認・承認フロー

このアプリケーションとクラウドで構成されるシステムにより、「検査 → 写真データの管理 → 確認・承認」という一連のプロセスが、全て「SLEEVY」の中で完結します。これにより、紙のチェックシートを印刷し、会議などで押印による承認をもらっていた従来のやり方にかかる時間を大幅に減らすことができます。

期待される効果:管理業務への集中とコストの最適化

「SLEEVY」を導入することで、以下の効果が期待されます。

  • 作業負荷の分散
    検査作業を現場の職人へ任せる仕組みを提供することで、施工管理者の作業の負担が分散されます。

  • 管理業務への注力
    検査に費やしていた労力を、施工管理者が本来行うべき、より価値の高い管理業務に使うことができるようになります。

  • 精度とコストの両立
    AR技術の活用により検査の正確性が向上するとともに、検査作業をアウトソーシングすることで人件費を適切にし、全体のコストを抑えることが期待されます。

iPad向けAPP/クラウド管理画面

株式会社GRIFFYについて

GRIFFYは「建設産業の未来図を、デジタルテクノロジーで描き出す。」を企業理念に掲げ、建設分野に特化したDXプロダクト・ソリューションを共同で開発する事業に加え、多くの建設DXソリューションを「現場ロイド」ブランドとして提供するレンタルサービス事業を行っています。「現場ロイド」は累計20,000件以上の導入実績(2025年6月末現在)があり、そのノウハウとデジタル技術を組み合わせることで、建設産業全体の共通課題である生産性向上、人手不足解消、安全対策などに取り組み、建設産業に関わる全ての人が幸せに働ける環境づくりに貢献することを目指しています。

東洋熱工業株式会社について

東洋熱工業は、1937年の創業以来、空調設備を中心に設計・施工・アフターメンテナンスを手がけ、長年の技術と経験をもとに、高品質な空調設備を提供しています。「環境に、社会に、文化に、責任ある企業として調和のとれた発展を目指す。」という経営理念に基づき、「技術力」で人々の快適な暮らしや企業の生産活動に必要な最適な環境を創造し、社会の課題に応えてきました。これからも、さらに進んだ新技術の開発に挑戦するとともに、「技術の東熱」として、持続的な成長と企業価値の向上を実現することを目指しています。

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