テラ・ラボ、大規模災害に備え名古屋港で航空計測の実証実験を実施

株式会社テラ・ラボは、官民連携で進められている「あいちモビリティイノベーションプロジェクト」の一環として、名古屋港で災害対応に関する実証実験を行います。この実験は、大規模な災害が起きた際に、港全体の被害状況を素早く、広い範囲で把握することを目的としています。

白い小型プロペラ機が曇り空の中を飛行している様子

「Terra Geo Scan System」とは

テラ・ラボが開発を進めている航空計測・解析基盤「Terra Geo Scan System」は、無人機や有人機を含む様々な航空機を使って、写真測量とLiDAR(ライダー)測量を同時に行えるシステムです。これにより、広い範囲の地形情報を高速で集め、三次元の空間情報を高度に取得し、共有することを目指しています。

実証実験の内容

今回の実証実験では、南海トラフ地震のような大規模災害が起きた直後の状況を想定しています。名古屋港は、緊急物資の輸送や復旧作業において非常に重要な場所です。災害時には、岸壁や航路、防潮壁、道路など、多くの施設の状況を短時間で確認する必要があります。

実験では、有人滑空機を使い、およそ1,500メートルと300メートルの高さから名古屋港全体を空から撮影します。特に、耐震強化岸壁や緊急輸送道路、航路、高潮防波堤といった災害対応で重要な施設を中心に撮影を行います。そして、これまでの地上からの調査やヘリコプターを使った調査と比べて、情報がどれだけ広範囲に、どれだけ早く手に入るか、また、運用面や費用面でどれだけ効果があるかを検証します。

広大な都市が湾岸地域に広がり、多くの人工島や工業施設、複雑な水路と道路網が見える航空写真

この実証実験を通して、有人航空機による広い範囲の空撮が、港全体の被害状況を把握したり、特に確認すべき場所を見つけたりするのにどれくらい役立つかを明らかにします。さらに、災害が起きた初期段階での新しい情報収集手段として、実際に使えるかどうかを検討します。また、撮影した空撮データをどのように共有し、活用していくかについても、関係機関と協力して、災害対応に役立つ情報共有のあり方を考えていきます。

多数のPCと大型スクリーンが設置されたオペレーションルーム

テラ・ラボのこれまでの取り組み

テラ・ラボは、広範囲の災害に対応するための長距離無人航空機「Terra Dolphin VTOL」の開発を進め、広い範囲を高速で航空計測する技術を核として、災害対応技術の高度化に取り組んできました。今後は、官民が協力して「災害対応の愛知モデル」として具体化し、社会で実際に使えるようにすることを目指しています。

これまでの主な経緯は以下の通りです。

  • 2014年:創業。広域災害対策用長距離無人航空機「テラ・ドルフィン」の開発を開始。

  • 2016年:名古屋市と中部大学の「地理情報システム等を活用した防災・減災対策に関する相互連携協定」に参画。南海トラフ地震を想定した大規模災害時の情報収集、伝達、共有の強化のため、被災状況の情報収集方法と可視化について検証。

  • 2019年:福島県イノベーション・コースト構想に基づき整備された「福島ロボットテストフィールド」において、東日本大震災の経験を活かし、大規模災害に備えた広域災害対策オペレーションシステムを検証。

  • 2022年:愛知県内で大規模災害を想定し、検証用有人航空機を使った飛行計画や解析方法を検証。

  • 2023年:「あいちモビリティイノベーションプロジェクト 空と道がつながる愛知モデル 2030 」に参画。

    • 2024年4月、内閣府デジタル田園都市国家構想交付金(地方創生推進タイプ)に愛知県が採択。

    • 2024年5月、「あいちモビリティイノベーションプロジェクト 空と道がつながる愛知モデル2030 災害対策ドローン社会実装推進業務(愛知県)」の実施委託事業者に選定。

    • 2025年5月、「あいちモビリティイノベーションプロジェクト 空と道がつながる愛知モデル2030 地上空撮ドローン社会実装推進業務(愛知県)」の実施委託事業者に選定。

青い機体が特徴的なドローンが、雪化粧をした雄大な富士山を背景に青空を飛行している様子

会社情報

  • 会社名:株式会社テラ・ラボ

  • 業種:情報通信

  • 本社:愛知県春日井市不二ガ丘3-28

  • 代表者:松浦 孝英

  • 設立:2014年3月

  • 公式サイト

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