ABC株式会社がTenstorrent社製AIアクセラレータ「Blackhole」「Wormhole」の国内販売を開始

ABC株式会社は、2026年1月26日、Tenstorrent社が作ったAIアクセラレータチップ「Blackhole(ブラックホール)」と「Wormhole(ワームホール)」を日本国内で売り出すことを発表しました。これらのチップは、AI(人工知能)が物事を判断する「推論処理」や、画像を見て内容を理解する「ビジョン処理」に特化しており、とても速く、そして遅れが少ないのが特徴です。この優れた性能によって、日本国内のAIサービスを提供している会社の技術をさらに強くする可能性を秘めています。

データセンターのサーバーラック

製品の紹介(用途と特徴)

Wormhole

Wormholeは、Tenstorrent社が現在提供しているAI推論用のプロセッサです。1つのチップに72個の「Tensixコア」という計算部分と、108MBのチップ内メモリ、そして12GBのGDDR6メモリを搭載しています。FP8という精度では、1秒間に262兆回の計算(262TFLOPS)ができます。2つのチップを搭載したモデルでは、合計で128コアと24GBのメモリを持ち、約466TFLOPSの処理能力を発揮します。

製品は、チップ1つを搭載した「Wormhole n150」と、2つのチップを搭載した「Wormhole n300」があり、価格は1,099ドルから1,449ドルです。

Blackhole

Blackholeは、Wormholeの次に登場する新しいモデルです。1つのチップに120コア(設計上は最大140コア)を搭載し、28GBまたは32GBのGDDR6メモリを備えたPCIeカード(p100a, p150a/b)として提供されます。FP8精度での計算能力は、最大で664TFLOPSに達します。価格は999ドルから1,399ドルです。

共通の特徴

これらの製品はどちらも、QSFP-DDという高速な方法で複数のカードを直接つなぐことができます。これにより、カードをまとめて計算能力やメモリを自由に増やしていくことが可能です。

サポート内容(独自の支援と証明書取得の支援)

ABC株式会社は、これらの製品を売るだけでなく、充実した技術サポートも提供します。具体的には、Tenstorrent社の公式サポートには含まれないファームウェア(チップを動かすための基本的なプログラム)の細かい調整や、製品が最も良い状態で動くようにするための設定支援、日本向けの技術資料の準備など、お客様の要望に合わせた細かいサポートを行います。

また、「中小企業等経営強化法」に基づく「経営力向上設備等に係る生産性向上要件証明書」の取得支援サービスも提供します。この証明書は、チップを会社の設備として導入する際に税金が安くなる制度を利用するために必要なものです。ABC株式会社は、申請に必要な書類の準備や手続きをサポートします。ただし、設備を自分で使わない場合(例:レンタル事業者が導入する場合)は、この税制優遇の対象外となるため、証明書の取得支援は行われません。

導入するメリット

ABC株式会社が提供する「Blackhole」や「Wormhole」を導入することで、利用する企業には次のような良い点があります。

  • 優れた費用対効果: BlackholeやWormholeは、他の高性能なAIアクセラレータと比べて、性能に対して価格がとても優れています。Blackholeは最大664TFLOPS、Wormholeは最大466TFLOPSという高い処理能力を持ちながら、PCIeカードの価格は1,000ドル台前半に抑えられています。これにより、特に単体で使う場合や小規模なシステムで使う場合の初期費用を抑えることができます。

  • 柔軟に規模を調整できる: 両製品はQSFP-DDによる高速通信に対応しており、複数のカードを直接つなぐことで、処理能力とメモリの量を必要なだけ増やすことができます。また、BlackholeやWormholeの計算部分の構造により、1枚のカードで複数のAIモデルを同時に動かすことも可能です。

  • 大規模言語モデルへの対応実績: WormholeとBlackholeは、大規模言語モデル(LLM)を同時に動かすことができます。実際に、70Bモデル(大規模言語モデルの一種)を複数同時に推論した例もあります。これにより、複数の利用者が同時にAIに質問したり、様々なAIサービスを同時に提供したりすることが可能になります。

  • オープンなソフトウェア: これらの製品は、Tenstorrent社のオープンソースソフトウェア(TT-Buda、TT-Metaliumなど)を使うことで、PyTorchやONNXといったツールで作られたAIモデルを動かすことができます。ただし、このソフトウェアは現在も開発が進められており、常に改善されています。

今後の見通し

ABC株式会社は、これらの製品を提供することで、日本国内のAIを使うための仕組みをさらに進化させ、広く普及させることに貢献していきます。今後は、Tenstorrent社の新しいチップも日本国内に導入することを考え、製品の種類をさらに増やしていく予定です。また、ABC株式会社が持つAIやクラウド分野でのソフトウェア開発の知識を最大限に活かし、最先端のAIハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって、お客様のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援し、競争力を高めるのに役立つでしょう。

お問い合わせ先

会社名:ABC株式会社
ウェブサイト:https://www.abckk.dev

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