国土交通省SBIR制度に採択:建設現場の安全を革新する広域無線測位技術の研究開発が始動

国土交通省のSBIR制度に採択された新プロジェクト

株式会社Phindex Technologies、国立大学法人 九州大学、東急建設株式会社の3者が提案した「建設工事における協調安全(Safety 2.0)を実現する広域無線測位技術の研究開発」プロジェクトが、国土交通省の令和7年度SBIR建設技術研究開発助成制度(中小・スタートアップ企業タイプ)に選ばれました。このプロジェクトは、産学官が連携して、建設現場の安全対策を大きく進化させることを目指しています。

「協調安全(Safety 2.0)」で建設現場をより安全に

このプロジェクトの主な目的は、建設現場の安全性と生産性の両方を向上させることです。「協調安全(Safety 2.0)」という新しい安全の考え方を社会に広めるため、高精度で広い範囲をカバーする無線測位システムを開発します。Phindex Technologiesの屋内測位技術、九州大学の先進的な無線センシング研究、そして東急建設が持つ実際の建設現場での知見を組み合わせ、これまでの安全管理を超える新しいデジタル技術の基盤を作り出す計画です。

死角のない測位技術で作業を「止めない安全」へ

建設現場では、少ない機材で工事の進み具合による環境の変化に対応でき、死角のない測位技術が求められています。本プロジェクトでは、920MHz帯の無線通信を利用した動くアンテナによって、障害物の影響を受けにくい距離測定のアルゴリズムや、環境の変化に自分で対応できる測位アルゴリズムを研究開発します。様々な建設現場での実証実験を通じて、実際に使える測位技術の確立を目指します。

この技術は、人と重機が一緒に作業する場所で、従来の「隔離」や「停止」を原則とする安全対策(Safety 1.0)では難しかった「作業を止めない安全」を実現します。これにより、建設業界が抱える重大な労働災害の発生率を根本から改善し、国土交通省が進めるi-Construction 2.0の目標達成にも貢献すると考えられます。

開発技術のイメージ

重機と人の事故を防ぐ具体的なターゲット

建設業界では、長年にわたり労働災害をなくす努力が続けられてきましたが、他の産業と比べてリスクが高い状況が続いています。特に「激突され」や「挟まれ・巻き込まれ」といった、人が重機や構造物の近くで作業する際に起こる事故が深刻な労働災害につながっています。

この新しいシステムは、狭くて見通しの悪い地下掘削現場などを主な対象とします。人や機械の位置関係をリアルタイムで正確に把握し、作業員や重機を操作する人に自動で危険を知らせる仕組みを構築することで、状況に応じて柔軟かつ安全に作業を進められる「協調安全(Safety 2.0)」の実現を目指します。

本プロジェクトが推進する「協調安全(Safety 2.0)」は、個別の安全対策にとどまらず、ICT技術を使って「人」「モノ(機械)」「環境」の情報を連携させ、現場全体の安全を動的かつ包括的に確保する、より高度な考え方です。これは、建設施工管理におけるデジタルツインを実現するための基礎となる技術でもあります。

産学官連携による強力な推進体制

本プロジェクトは、国土交通省が掲げる特定の課題を、中小企業やスタートアップの技術革新で解決し、その成果を社会に役立てることを目的としたSBIR制度のもとで進められます。Phindex Technologies(スタートアップ)、九州大学(研究機関)、東急建設(ゼネコン)からなるこの協力体制は、イノベーションを生み出す「トリプルヘリックス(三重らせん構造)」の代表的な例であり、それぞれの強みを活かした連携がプロジェクトを力強く推進します。

Phindex Technologiesは、「生物の知能」と「群れの原理」をヒントにした協調制御技術を核に、お客様の課題を解決する関西大学発のスタートアップです。特に「屋内測位技術」に強みを持っており、最小限の設備で高精度な測位を可能にする独自の屋内測位システム「Phindex Finder」を開発しています。本プロジェクトでは、全体のまとめ役として研究を主導します。

九州大学と東急建設は、「組織対応型連携契約」を結んでおり、一度きりの共同研究ではなく、深く長期的な研究開発のパートナーシップを築いています。九州大学の無線通信研究室は、「無線通信技術」や「無線センシング・IoT技術」を研究の中心としており、屋内測位技術をトンネル内や高層階といった建設現場の厳しい環境で使えるようにするための基礎技術研究を担当し、学術的な知識でプロジェクト全体の技術的な信頼性を高めます。

東急建設は、経営層が主導する「安全マネジメントの進化」を掲げ、「安全指数」を目標に設定するなど、安全衛生に対する強い取り組みをしています。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みを会社全体の戦略の柱の一つとして位置付けています。本プロジェクトでは、開発された技術が現場のニーズに合う形で確実に社会で使われるよう、実証実験の場を提供し、実践的な運用を実現する役割を担います。

Phindex Technologiesが提供するサービスについては、以下のリンクから詳細を確認できます。

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