ドローン国家資格は「1階」にすぎない:ビジネスで活躍するための勉強会と業種別ライセンス制度がスタート

一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会は、ドローン国家資格を取得した後の「仕事での飛行がわからない」「仕事の取り方がわからない」といった声や、「どのようなパイロットに仕事を依頼すればいいのかわからない」という事業者の声に応えるため、新しい取り組みを始めます。

2026年1月からは「ドローンビジネス勉強会」を開始し、4月からは「ドローン業種別ライセンス制度」を創設することで、ドローンを使った仕事に必要な実務スキルを学ぶ場と、そのスキルを証明する資格の仕組みを一体的に提供します。

ドローンパイロット キャリアパス

ドローンビジネスは「2階建て」

ドローンを使って仕事をするには、大きく分けて2つの段階の学習と資格が必要だとされています。

国家資格は「1階部分」にあたり、ドローンを操縦するための基本的な技術を示すものです。これは、ドローンを飛ばすための手続きとして大切な資格です。しかし、実際にビジネスで求められるのは「2階部分」のスキルです。これには、業種ごとの専門知識、現場での対応力、お客様とのやり取り、見積もりの作成、そして最終的な成果物の品質管理といった実務的な能力が含まれます。

国家資格を持っていることが、そのままビジネスで役立つスキルを持っていることには繋がりません。2025年12月にドローンの民間資格の特別な期間が終わり、国家資格が操縦の基準となりました。しかし、「この人に仕事を頼んで本当に大丈夫だろうか?」と発注者が判断するための明確な基準は、これまでありませんでした。

このような課題を解決するため、協会は2026年に「学ぶ場」と「証明する資格」の両方を提供し、ドローンビジネスの「2階部分」を体系的に整えていきます。

資格取得後に増える相談に対応

協会には、国家資格を取った方々から「どうやって仕事を見つけるのか」「見積もりの出し方がわからない」「現場でどう動けばいいのか」「現場に同行させてほしい」といった相談が多く寄せられています。

国家資格制度が始まったことで操縦技術は一定の基準になりましたが、ビジネスとして成功させるための知識や経験を学ぶ機会はまだ足りていません。この勉強会と資格制度は、このような課題を解決するために作られました。

2026年1月開始「ドローンビジネス勉強会」

この勉強会では、総飛行時間8,000時間以上の経験を持つ森本宏治代表理事がメイン講師を務めます。森本氏は空撮、測量、農薬散布、点検、空輸、防災減災、機体販売、メンテナンス、コンサルティング、スクール講師・カリキュラム開発という10の分野で実際に活動している、国内でも数少ないオールラウンドプレイヤーです。教科書には載っていない現場のリアルな経験を、自身の成功と失敗談を交えて直接伝えます。

勉強会の概要

  • 開催頻度:月に1〜2回

  • 形式:岡山会場での対面と、オンラインでの全国対応を組み合わせたハイブリッド形式

  • 時間:1回あたり約1時間(30分×2つの課題)

  • 開始時期:2026年1月

学習内容

毎回、航空法などの最新の法令と、業種別のスキルに関する課題を実例に基づいて学習します。例えば、以下のような内容が含まれます。

  • 法令:航空法をはじめとする関連法規の最新情報とその実務での使い方

  • 業種別スキル

    • 空撮:シナリオ作り、カメラ設定、動画編集、ライブ配信の対応

    • 測量:写真測量・レーザー測量の実務、測量の正確さの管理、成果物の作成

    • 散布:農薬散布の準備や取り扱い、散布計画、農家の方々との対応

    • 点検:建物などのインフラ点検における安全管理、報告書の作成

    • 空輸:物流の仕組み、運航の管理

    • 防災・減災:災害時の情報収集、被災状況の調査、物資の輸送、自治体との連携

    • スクール運営:講師としてのスキル

    • コンサルティング:お客様のニーズを把握し、提案書を作成する能力

    • 空飛ぶクルマ:次世代の移動手段の動向とビジネスチャンス

2026年4月創設「ドローン業種別ライセンス制度」

この制度は、ドローンを使った仕事の分野ごとに、どのくらいの能力があるかをはっきりと示すための民間資格制度です。仕事を依頼する側と受ける側の両方に、明確な基準を提供します。各業種において、S級・A級・B級の3つの段階の資格が設けられ、認定試験に合格することで取得できます。

資格体系(例)

  • 空撮

    • S級:ライブ配信や映画撮影など、高度な飛行技術

    • A級:シナリオ作成、現場の指示に従った飛行、カメラ設定、動画編集

    • B級:写真撮影、簡単な動画撮影

  • 測量

    • S級:ICT(情報通信技術)を使った測量、点群データの編集を含む

    • A級:公共の写真・レーザー測量、精度管理を含むが点群データの編集は含まない

    • B級:民間の写真・レーザー測量、精度管理は含まない

  • 散布

    • S級:傾斜地や建物周辺など、特別な場所への散布技術

    • A級:粒剤散布、さまざまな作物への液剤散布

    • B級:水稲への病害虫防除散布、液剤の管理

  • 点検

    • S級:風力発電機、水力発電所、水中など、特殊な点検

    • A級:建物の外壁など構造物の点検

    • B級:目視や赤外線を使った太陽光パネルの点検

  • 空輸

    • S級:100kg以上の荷物の輸送、空域の安全調査

    • A級:100kg以下、10km未満の物資輸送

    • B級:10kg以下、1km以下の物資輸送

  • 防災・減災

    • S級:5日以上の現地での活動

    • A級:5日以内の調査、捜索、計測、輸送

    • B級:3日以内の空撮調査

本制度の意義

この新しい制度は、ドローンを使うビジネスにおいて、以下のような良い影響をもたらします。

発注する側にとって

  • 仕事を依頼する相手を選ぶ基準がはっきりします。

  • 資格の等級によって、期待できる成果物の品質がわかります。

  • 安心して仕事を任せられるようになります。

仕事を受ける側にとって

  • 自分のスキルを客観的に証明できます。

  • 営業や提案をする際の信頼性が高まります。

  • スキルアップのための目標が明確になります。

参加資格

勉強会への参加資格

  • aotori FC会員

  • DBT資格を持っている方

  • DBAスクール(国家資格のコースを含む)に入校した方

  • ビービズ会員

※aotori会員は、特別な勉強会や実技講習会、現場実習にも参加できます。
詳細やお申し込みについては、下記お問い合わせ先までご連絡ください。

ドローン業種別ライセンス制度の参加資格
認定試験を受けるにあたって、特に条件はありません。開催の詳細については、後日発表されます。

一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会について

協会は全国43都道府県に130か所のフランチャイズネットワーク「aotori FC」を展開しています。ドローンビジネスのノウハウから生まれた資格認定校や国家資格の講習会場を全国で運営し、ドローンビジネスを担う人材の育成と普及に力を入れています。能登震災では1年間にわたり現地で活動し、全国の自治体と連携した実践的な訓練やビジネスの実証実験も行っています。

お問い合わせ先
一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会
URL:https://www.drone-business.jp

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