建設DX研究所、120名超が参加した「交流会2025」で建設DXの未来を語る

建設DX研究所は、建設現場のデジタル化を進めるため、「建設DX研究所 交流会 2025」を2025年11月27日に開催しました。この交流会には、大手建設会社やハウスメーカー、インフラ企業、建設技術系のスタートアップ企業、さらには国土交通省や自治体、大学の研究者など、120名を超える人々が集まり、建設業界のデジタル変革(DX)について深く話し合われました。

建設DX研究所 交流会 2025の様子

開催報告

交流会では、まず建設DX研究所の代表である岡本杏莉氏が、研究所の活動やイベントに込めた思いを語りました。続いて、前国土交通副大臣の古川康衆議院議員や、国土交通省、鹿島建設株式会社、神奈川県藤沢市、千葉県千葉市などの関係者が参加し、建設DXの最先端に触れました。

国土交通省の佐々木雅也氏からは「建築分野におけるDXの目指す方向性」と題し、2026年から始まるBIM図面審査(建物の設計図をコンピューターで審査する仕組み)や、2029年からのBIMデータ審査に向けた具体的な計画が紹介されました。また、AI(人工知能)を使って建築の申請書類を作る手助けをするサービスについても触れ、国と民間企業が協力して生産性を高めることへの期待が述べられました。

鹿島建設株式会社の國近京輔氏からは「現場から生まれるDX 人と“場”がつくる未来の建設マネジメント」というテーマで、同社の現場でのDXの進み方や、2025年以降の「AIとベテランの技術を伝えること(技能伝承)」を組み合わせた未来の姿が語られました。國近氏はDXを「壮大な仲間集め」と表現し、スタートアップ企業や協力会社との信頼関係に基づく「共創(一緒に新しいものを作り出すこと)」が重要だと強調しました。

地域と建設DX〜自治体・テック企業の協創〜

イベントの後半では、「地域と建設DX〜自治体・テック企業の協創〜」と題したパネルディスカッションが行われました。ここでは、地方自治体での建設DXの取り組み事例や、今後の見通しが話し合われました。

パネルディスカッションやドローン、タブレット操作のコラージュ画像

神奈川県藤沢市の最上澄代氏と、藤沢市のDX推進をサポートしたアンドパッドの加藤諒氏からは、老朽化した建物の改修や再整備が増える一方で、人手不足を解決するために「ANDPAD」というシステムを導入した事例が紹介されました。特に、移動時間を減らすことにつながる「ANDPAD 遠隔臨場」という、離れた場所から現場を管理する仕組みの活用例とその成果が具体的に示されました。

千葉県千葉市の小野正義氏と、株式会社Liberawareの向山卓弥氏からは、ドローンを使って下水道管の点検や調査を行うことで、作業の安全性を確保し、効率を高める取り組みが紹介されました。これまで人が入るのが危険だったり、従来のカメラでは難しかった場所に、Liberaware社の超小型ドローン「IBIS2」を活用し、安全かつ効率的な点検を目指していることが語られました。

ディスカッションでは、新しい技術を検討してから実際に導入するまでの過程で、特に力を入れた点や、自治体と技術系企業が最高のパートナーシップを築くにはどうすれば良いかといったテーマが掘り下げられました。このセッションを通して、自治体での新しい技術の活用や、スタートアップ企業との連携の重要性について理解が深まりました。

開催概要

  • 名称: 建設DX研究所 交流会 2025

  • 開催日: 2025年11月27日(木)

  • 会場: ANDPAD STADIUM

  • 主催: 建設DX研究所

建設DX研究所について

建設DX研究所は、建設業界の課題を解決し、DXを推進するために2023年1月に設立されました。当初は6社で始まりましたが、2025年3月にはAIを活用したインフラ管理やAR/VR技術、建設機械の自動運転など、最先端技術に強い5社が新たに加わり、現在は11社で活動しています。最新の政策や技術情報の提供、勉強会の開催、関係省庁や議員への政策提言など、3つの柱を中心に活動しています。

BONXについて

株式会社BONXは2014年に設立され、「世界は僕らの遊び場だ」というビジョンを掲げています。いつでもどこでも声でつながる現場向けコミュニケーションツール「BONX WORK」や、専用デバイス「BONX BOOST」などを法人向けに提供しています。これらの製品は、小売店、ホテル、介護医療、建築土木、運輸、インフラ、スポーツチームなど、様々な現場でコミュニケーションツールとしてだけでなく、現場のDXを進めるための重要なツールとして導入されています。

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