高専生が「ものづくり×ディープラーニング×事業性」を競う「DCON2026」本選出場10チームが決定!

DCON2026の様子

DCON実行委員会は、高等専門学校(高専)の学生が「ものづくり」とディープラーニングを活用して事業を創出するコンテスト「第7回 全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト2026(DCON2026)」の本選に出場する10チームを決定しました。

過去最多119作品から10チームが本選へ

「DCON」は、高専生がものづくりとディープラーニングの技術を使い、社会課題を解決するプロダクトやサービスを考案し、その事業性を「企業評価額」で競うビジネスコンテストです。7回目を迎える今年度は、過去最多の40高専、91チーム、119作品の応募がありました。製造、物流、一次産業、インフラ点検、防災、医療介護、福祉など、幅広い分野のテーマが提案され、2度の審査を経て、事業としての成長が期待される10チームが本選出場を決めました。

国内では、2030年には最大約79万人のIT人材が不足すると経済産業省の調査で予測されており、AIをはじめとする高度なデジタル人材の確保が国の課題となっています。また、起業家不足も顕在化しており、政府は起業家10万人の創出を目標に掲げています。このような背景の中、実践的・創造的な技術者を育てる「高専」への注目が高まっています。DCONはこれまでに12社のスタートアップ企業を輩出し、技術と事業性を両立した事業創出を支援してきました。アイデアだけでなく、プロトタイプまで開発された技術作品を対象に、「企業評価額」で事業性を評価する点が特徴です。

本選出場10チームの紹介

本選出場チームは、今後メンターによる指導を受け、本選(最終審査)に挑みます。本選は2026年5月8日(金)・9日(土)に開催され、現役のベンチャーキャピタリスト(VC)が技術審査とプレゼンテーションを通じて事業性を評価し、最も「企業評価額」が高いチームが優勝します。

  • 釧路工業高等専門学校(チーム名:超音サンマ)

    • 作品名:Pulsar

    • 作品概要:長時間イヤホンを使う人の「耳の痛み」や、家族の生活音に悩む人の「プライベートな空間」を解決します。装着の不快感や周囲への音漏れをなくし、特定の人にだけ音を届けることで、快適な音響空間を創出します。

    • メンター:岩佐 琢磨(株式会社Shiftall 代表取締役CEO)

  • 仙台高等専門学校 広瀬キャンパス(チーム名:それいけ!運搬マン)

    • 作品名:Nego Delivery

    • 作品概要:EC市場の拡大と2024年問題を背景とした運送業界のドライバー不足に対し、マンション・倉庫内対応の全自動運搬ロボットと、配送計画を自律的に最適化するAIエージェントを組み合わせ、配達時間の決定から配送までを自動化するシステムを提案します。

    • メンター:田中 邦裕(さくらインターネット株式会社 代表取締役社長)

  • 沼津工業高等専門学校(チーム名:SOUTA)

    • 作品名:Gourmeet

    • 作品概要:飲食店の混雑と高い廃業率の課題を解決するために開発されました。中規模以下の飲食店向けに、カメラとAIで空席状況を10秒ごとに2Dマップ化し、専用サイトへ自動配信します。15分予約機能などにより、顧客の「行ってみたら満席」というストレスと、店舗の機会損失を同時に解消し、一席単位の空席可視化で経営を支援します。

    • メンター:西本 励照(株式会社MENOU 代表取締役CEO)

  • 豊田工業高等専門学校(チーム名:Kanro AI)

    • 作品名:Pipe Eye

    • 作品概要:下水道の老朽化による陥没と現場の人手不足という社会課題に対し、リアルタイムに画像認識しながら臨機応変に対応できる、スマートな自動点検ロボットを開発しました。危険で時間のかかる従来の方法を改善し、点検手法の社会的急務に対応します。

    • メンター:渋谷 修太(フラー株式会社 取締役会長)

  • 舞鶴工業高等専門学校(チーム名:mAIzuru)

    • 作品名:ことの葉

    • 作品概要:観葉植物と対話しながら世話を支援するプロダクトです。多くの人が癒しを求めつつも枯らしてしまう課題に対し、スティック型センサと専用アプリを開発しました。AIが土壌水分や日照データを解析し、結果をキャラクターのようなセリフで伝えます。

    • メンター:佐藤 聡(connectome.design株式会社 代表取締役社長)

  • 久留米工業高等専門学校(チーム名:Atelier-I)

    • 作品名:Atelier-I

    • 作品概要:視覚障がいのある高齢の家族と暮らすメンバーの実体験から生まれたシルバーカーです。白杖でも気づけない障害物への衝突リスクを解決するため、カメラとセンサーが周囲の危険を検知し、ハンドルの振動と音声で直感的に警告します。歩行補助とAIによる目の代わりを一台で実現し、高齢者が安心して外出できる社会を目指します。

    • メンター:小島 舞子(株式会社クラフター 代表取締役)

  • 沖縄工業高等専門学校(チーム名:Omoide.lab)

    • 作品名:VocaSense ~声の揺らぎが知らせる認知症のサイン~

    • 作品概要:日常会話から認知症を早期発見するVocaSenseを提案します。学習データ不足の課題を生成AIによるデータ合成で解決し、マルチモーダルAIが会話のテキストと音響トーンから進行度を3段階(健常・MCI・認知症)で判定します。プライバシーを守るエッジコンピューティングを採用した機体を部屋に置くだけで、高齢者の健康寿命延伸と介護DXを実現します。

    • メンター:柳原 尚史(株式会社Ridge-i 代表取締役社長)

  • 沖縄工業高等専門学校(チーム名:Seesar Labs)

    • 作品名:SonicSeesarEye

    • 作品概要:工場・倉庫火災における大きな損失に対し、火災の検出から消火までを一貫して実現する無人消火システムを提案します。AIによって火を早期に検出し、水や薬剤を使わず音波で消火するため、水損が許されない現場での早期消火が可能です。初期段階では地上走行型ロボットを提供し、将来的にはドローンと連携し、あらゆる危険区域に初期対応できる新しい消火の形を目指します。

    • メンター:河瀬 航大(株式会社フォトシンス 代表取締役社長)

  • 沖縄工業高等専門学校(チーム名:Rewave)

    • 作品名:通信の空白地帯を消す!AIで被災地を可視化する災害デバイス「アドフォン」

    • 作品概要:災害時に通信手段を失う被災者や救助側の課題を解決する次世代防災通信デバイスです。通信途絶で使えなくなったスマートフォンを流用し、アドホックLPWAで基地局に依存しない通信ネットワークを構築します。AIを用いて被災地情報を極限まで圧縮して低ビットレート通信することで、アドフォン同士で音声や位置、安否情報を共有し、迅速な救助と命を守る情報伝達を実現します。

    • メンター:福野 泰介(株式会社jig.jp 取締役 創業者)

  • 神山まるごと高等専門学校(チーム名:codell)

    • 作品名:KIDUKI

    • 作品概要:介護現場の深刻な人手不足と知識の属人化による未経験者の働きにくさという課題があります。AR×AIを活用し「今・誰に・何をすべきか」を即座に可視化します。経験差をテクノロジーで補い、人手不足下でも質を維持できる介護現場の実現を目指します。

    • メンター:折茂 美保(ボストン コンサルティング グループ合同会社 マネージング・ディレクター&パートナー)

メンターの顔写真

新たに「特別展示賞」「オーディエンス賞」を新設

今年度からは、二次審査を通過できなかったチームを対象に、その挑戦や技術的成果を広く社会に伝えるため、「特別展示賞」と「オーディエンス賞」が新設されました。DCON実行委員会は、単に順位や勝敗を競うだけでなく、学生が社会課題に向き合い、技術と事業の両立に挑むプロセスそのものに価値があると考えています。惜しくも本選出場を逃したチームの中にも、技術的な完成度や着眼点に優れた提案が多く見られたため、新たに「特別展示」が正式なプログラムとして実施されます。対象チームは、本選会場でポスター展示を行い、審査員や来場者との対話を通じて、技術や発想、事業構想の価値を直接伝える機会を得ます。

  • 「特別展示賞」:審査員・アドバイザーによる投票で上位チームを表彰

  • 「オーディエンス賞」:後援、パートナー企業、その他の関係者などの来場者による投票で選出

メンターが学生の「技術」を「事業」へと昇華させる

国内外で事業創出や技術実装の最前線で成功を収めている方々が、メンターとしてプログラムに参加します。メンターは単なるアドバイス役ではなく、学生の技術やアイデアを事業として成立させる視点で深く関わるパートナーとして機能します。学生はメンター陣との直接の対話やフィードバックを通じて、自らの仮説を磨き上げ、技術的な課題を解決し、事業の方向性を明確にしていきます。このような質の高い伴走支援は、学生が「技術力」を「事業価値」に変える感覚を得られる場としてDCONの大きな価値の一つであり、メンターの真剣な伴走が、DCONが高い実践性と社会実装志向を実現する基盤となっています。

「DCON2026」MCについて

本選のMCは、昨年に引き続き音楽クリエイターのヒャダイン氏と、富山高専卒のフリーアナウンサー・佐竹美希氏が務めます。表現者として多方面で活躍するヒャダイン氏と、高専出身者として学生に寄り添う佐竹氏という異なる立場から、高専生の挑戦やプレゼンテーションの魅力を引き出します。

ヒャダイン氏

ヒャダイン(音楽クリエイター)のコメント

「今や誰もが使っているAIを革新的な発想で駆使してビジネスプランを提案する高専生の闘い、しびれるぜー!最先端!」

佐竹美希氏

佐竹 美希(フリーアナウンサー/富山高専卒)のコメント

「昨年に引き続き、卒業生として全チームを応援しながら進行させていただきます。皆さんの発表内容はもちろん、プレゼン力もとても楽しみです!」

DCON実行委員長 松尾 豊氏のコメント

DCON実行委員長の松尾 豊氏は、「ディープラーニングを社会で活かすには、『ものづくり』と結びついた実装力が欠かせません。高専生は、その実装力を強みに、技術を社会で使われる形にできる人材です。また近年、AIが社会のインフラへと変化していく中で、日本としても自らAIを開発できる技術力を持つ重要性が高まっています。DCONは、そのような力を高専生が実践を通じて磨く場として、年々価値が高まっています。企業評価額という指標で、技術と事業性を競い合う点も大きな見どころです。ぜひ高専生の挑戦に注目していただければと思います。」と述べています。

本選のライブ配信について

2026年5月9日(土)12:00から17:30まで、DCON2026本選プレゼンテーションと表彰式が以下のプラットフォームでライブ配信されます。

「DCON2026」開催概要

  • 主催:日本ディープラーニング協会、全国高等専門学校連合会、NHK、NHKエンタープライズ

  • 後援:内閣府、デジタル庁、文部科学省、農林水産省、経済産業省、環境省、渋谷区、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)、一般財団法人高専人会、株式会社日本経済新聞社

  • パートナー(50音順):

    • ゴールドパートナー:株式会社アクセスネット、NECソリューションイノベータ株式会社、株式会社セブン銀行、トピー工業株式会社、トヨタ自動車株式会社、株式会社フソウ、ポーラメディカル株式会社

    • シルバーパートナー:アイング株式会社、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、株式会社QUICK、ソフトバンク株式会社、千代田化工建設株式会社、日本ガイシ株式会社、日本電技株式会社、株式会社ビズリーチ、株式会社ミダスキャピタル、三菱電機エンジニアリング株式会社、株式会社村田製作所

    • ブロンズパートナー:小町 洋

  • 協力:株式会社iSGSインベストメントワークス、株式会社ABEJA、株式会社イクシス、株式会社Insight Edge、株式会社WiL、MPower Partners Fund L.P.、クウジット株式会社、QXLV(クオンタムリープベンチャーズ)、株式会社クラフター、connectome.design株式会社、さくらインターネット株式会社、株式会社jig.jp、株式会社Shiftall、ストックマーク株式会社、SpiralAI株式会社、株式会社先端技術共創機構(ATAC)、株式会社tiwaki、株式会社ディープコア、東京大学大学院工学系研究科、Tokyo Venture Capital Hub、株式会社ドワンゴ、ニューラルグループ株式会社、HEROZ株式会社、株式会社フォトシンス、富士ソフト株式会社、フラー株式会社、株式会社ブレインパッド、ボストン コンサルティング グループ合同会社、株式会社MENOU、株式会社モルフォ、株式会社Rist、株式会社Ridge-i、ルーパーツ株式会社、学校法人早稲田大学

  • 概要:全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト(DCON)は、高専生が日頃培ってきた「ものづくりの技術力」と「ディープラーニング」を掛け合わせ、社会課題の解決や市場創造を見据えた事業アイデアをもとに、その事業性を「企業評価額」という指標で評価する事業創出型コンテストです。高専生ならではの発想力と技術力を活かした多様で新規性の高い作品が多数寄せられており、地域社会や産業分野における課題解決をテーマとした作品も多く見られます。コンテスト出場を契機に、実際に起業・事業化へと至る事例も生まれており、これまでに12社のスタートアップ企業が誕生しています。こうした在学中からの起業・事業化への挑戦を後押しする取り組みを通じて、未来のものづくりを担う人材を発掘するとともに、社会実装につながる人材育成への寄与を目指します。

  • 本選日程

    • 2026年5月8日(金):技術審査会、特別展示・投票

    • 2026年5月9日(土):本選プレゼンテーション、本選出場チーム作品展示、特別展示・投票、表彰式

  • 会場:ヒカリエホール

  • 公式サイトhttps://dcon.ai/

  • 公式Xhttps://x.com/DCON_JDLA/

  • 公式Facebookhttps://www.facebook.com/DCON123/

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