栃木県野木町、ドローン活用で下水道点検の工期を3日短縮 – 安全性と効率性を両立
ドローンで下水道点検の工期を短縮
ブルーイノベーション株式会社と渡辺建設株式会社は、栃木県野木町において、屋内点検用ドローン「ELIOS 3」を活用した下水道管路の調査・点検を実施しました。この調査により、従来5日かかっていた作業を2日間で完了し、工期を3日短縮することに成功しました。
近年、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故のように、老朽化したインフラの維持管理は重要な課題となっています。この事故から約1年が経過する中、人力に頼らず安全かつ迅速なインフラ点検の実現が求められています。

老朽化する下水道管路と「全国特別重点調査」
今回の調査は、国土交通省が推進する「下水道管路の全国特別重点調査」の基準に基づき行われました。野木町が管理する下水道管路は、汚水管が約108km、雨水管が約5kmにわたり、最も古い区間では施工から50年以上が経過しています。老朽化対策は急務であり、劣化を見逃せば道路陥没などの重大事故につながる恐れがあるため、ドローン点検が有効な調査手法として評価されています。
工期6割削減と点検品質の標準化
今回の調査では、施工後30年以上が経過した管径2m以上の下水道管路約3kmが対象となりました。人力で管内調査を行う場合、1日あたり約600mの作業量で、対象区間の調査には約5日間が必要とされていました。しかし、「ELIOS 3」を用いた調査では、同じ区間をわずか2日間で完了し、3日間の工期短縮が実現しました。
このドローン点検は、管内での人力作業を不要にすることで、作業員の安全性を大きく向上させました。酸欠や有毒ガス、増水といった危険な環境でのリスクを排除できるほか、1スパンあたりの作業時間が短縮されたことで、交通規制時間の削減にもつながっています。
さらに、人力作業では作業員の熟練度によって点検結果に差が出やすいという課題がありましたが、「ELIOS 3」による映像データを用いることで、点検品質の標準化にも貢献しています。


野木町役場 産業建設部 上下水道課の岡田様からは、「今回の点検で、直ちに大規模な補修が必要な深刻な損傷は見られなかったものの、経年による劣化や接続部の変状を詳しく把握できました。これにより、今後の補修計画や経過観察に役立てられます」とのコメントが寄せられています。
今後の展望
今回の点検で使用された屋内点検用ドローン「ELIOS 3」は、暗く狭い下水道管路内でもGPSが届かない環境で安定して飛行できる特徴があります。管内をムラなく撮影し、「どこに、どの程度の損傷があるのか」を位置情報付きの3Dデータとして客観的に記録できます。また、管路のゆがみやたるみといった形状の変化も3Dデータで確認できるため、平面的な映像だけではわかりにくい変状の把握が可能です。
ブルーイノベーションでは、これらの映像・3Dデータを活用し、AIによってひび割れなどの変状を自動で検知する取り組みを進めています。老朽化インフラの点検は今後も継続的に発生することが見込まれるため、ドローンによる安全性、効率性、品質の標準化を強みとして、同様の条件を持つ他の自治体や関連事業者への横展開を進めていく方針です。
ELIOS 3について
「ELIOS 3」は、Flyability SA(スイス)が開発した屋内用ドローンの最新機種です。非GNSS環境下(GPSが使えない場所)での飛行に優れ、世界で初めて3Dマッピング用LiDARセンサーを搭載しています。これにより、点検・施設情報をリアルタイムで3Dデータ化し、位置の特定が可能です。最新のSLAM技術により操作性・安定性も向上し、操縦者の負担軽減と飛行時間の短縮を実現しています。

ブルーイノベーションは2018年にFlyability社と日本における独占販売契約を結び、「ELIOS」シリーズを活用した屋内点検ソリューションを提供してきました。2024年現在、プラントや発電所、下水道などを中心に300ヶ所以上での導入実績があり、屋内点検のDXソリューションのパイオニアとして業界をリードしています。
ブルーイノベーション株式会社
1999年6月設立。独自の統合プラットフォーム「Blue Earth Platform®(BEP)」を基盤に、ドローン・ロボットを活用した点検、防災、教育、物流の分野でソリューションを開発・提供しています。老朽化インフラの維持管理や災害対応、人手不足への対応など、さまざまな社会課題の解決に取り組んでいます。
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