建設DX・i-Construction wpmaster 2025年12月19日 0 コメント

川田工業が建設現場の「困った」をAIで解決！「Kencopa工程AIエージェント」β版を導入

建設現場の効率化を進める株式会社KENCOPAは、川田工業株式会社において、建設業務に特化したAIエージェント「Kencopa工程AIエージェント」のβ版導入が始まったことを発表しました。

導入の背景にある課題

川田工業では、これまで工程表を作る作業が担当者の経験や専門知識に大きく頼っていました。特に、見積もりを出す段階では情報が少なく、工程の検討に多くの時間と手間がかかることが課題でした。また、計画図や工程表などの重要な情報が、段階ごとにバラバラになってしまい、データとして十分に活用できていない状況が続いていました。

このような課題を解決するため、設計図面などの資料から工程表のたたき台を自動で作れる点や、AIがどのように判断したかが見えることで、工程検討の根拠を確認・見直せる点が評価され、「Kencopa工程AIエージェント」β版の導入が決定されました。今後は、AIを使って工程検討をより高度にし、仕事の効率を上げて人手不足を解消することを目指し、KENCOPAと川田工業が協力して取り組みを進めていきます。

「Kencopa工程AIエージェント」とは

「Kencopa工程AIエージェント」は、工程表の作成や実際の工程管理をAIがサポートする、建設業務に特化したAIシステムです。設計図面や仕様書、見積もり資料をアップロードするだけで、会社の独自の作業データ（歩掛）を学習したAIが工程案を自動で生成します。これにより、設計や工程に関するデータが自動で蓄積され、人手不足の解消と技術の継承を同時に実現できると期待されています。

川田工業では、β版の利用を通じて、以下の効果を目指しています。

見積もり段階での工程検討を、より高度に、そして素早く行うこと
計画段階の工程と、実際に進める工程をスムーズにつなげること
過去の工事データや作業データ（歩掛）を活かし、会社独自の知識をためていくこと
若い社員の教育や技術の継承を強化すること

川田工業株式会社建築事業部事業推進室主任の五十嵐透氏は、今回の導入について、「建設業界は人手不足が深刻で、先輩たちの技術を次の世代に伝えていくことが非常に重要です。工期はお客様に提供する大切な価値の一つですが、その実現に必要な工程検討は経験や知識が求められるため、特定の人がいなくても仕事が進むようにすることや、効率化が重要だと考えています。倉庫や工場など、特定の用途に特化した建物の設計施工を続けてきた当社は、AIが学習しやすいと考えており、今回のβ版利用を通じて、実際の現場で役立つ人手不足解消や効率化のヒントが見つかることを期待しています」とコメントしています。

「Kencopa工程AIエージェント」の主な機能

「Kencopa工程AIエージェント」には、建設現場の課題解決に役立つ様々な機能が搭載されています。

AIシミュレーション

AIが複数の工程プランを提案します。工期を優先するか、作業コストを優先するかなど、様々な条件に基づいた工程表を生成し、比較検討に役立てることができます。

類似工事AI検索

新しい工事の計画を立てる際に、アップロードされた設計図書と独自の検索方法に基づき、似ている過去の工事データを提案します。

AIアシスタント

実際の工程作成や運用において、AIが個別の工事内容に応じて、工程、品質、安全に関するアドバイスを行います。チャット形式で工程表を操作したり、細かく調整したりすることも可能で、細かい作業から解放されます。

その他にも、実施工程作成機能、自由な描画スタイル、PDF出力機能、過去工事・歩掛の自動蓄積・分析機能、実績入力機能などが利用可能です。これらの機能の一部は現在特許申請中です。

「Kencopa工程AIエージェント」のサービス詳細については、以下のサイトをご覧ください。

Kencopa工程AIエージェントサービスサイトURL: https://kencopa.com/service-azuchi-3

株式会社KENCOPAについて

株式会社KENCOPAは、「Copilot for Construction」をミッションに掲げ、建設現場の省人化・自動化に挑戦する建設専門のAIスタートアップです。「Kencopa工程AIエージェント」や「Kencopa建設AIエージェント」を提供し、図面や仕様書、作業データ（歩掛）、施工データなど、これまで特定の人の知識に頼っていた現場の仕事をAIが理解・処理し、工程作成や書類作成、知識検索までを自動化します。また、日々の利用を通じて会社独自のデータが自然に蓄積され、若い社員の教育や技術の継承に貢献することを目指しています。

KENCOPAは、自社製品の提供だけでなく、企業ごとの特別な要望に合わせた共同研究・開発を行う「i-Con2.0共創」モデルも展開しています。これらの取り組みを通じて、建設業界の未来に本気で挑戦しています。

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