小松市消防本部とセンシンロボティクス、災害対応ドローン実証実験で迅速な状況把握を確認
小松市消防本部とセンシンロボティクスがドローンを活用した災害対応実証実験を実施
株式会社センシンロボティクスは、小松市消防本部（石川県小松市）と共同で、自動運用型ドローン基地を活用した災害対応の実証実験を行いました。この実験は、地震や火災といった災害が起きた際の状況を素早く把握することを目的としており、災害発生後の初動対応において、迅速な状況把握に役立つことが確認されました。
実証実験の概要
この実証実験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の補助事業である2024年度「SBIR推進プログラム（一気通貫型）」の一環として実施されました。小松市消防本部の協力を得て、災害発生時の状況を迅速に把握するため、既存の高所カメラに代わるドローンの活用方法が検証されました。
具体的には、センシンロボティクスのソリューション開発プラットフォーム「SENSYN CORE」を活用し、自動運用型ドローン基地「DJI Dock 3」と連携させました。ドローンが撮影した市内の映像は、遠隔映像配信機能を持つ「SENSYN CORE Monitor」を通じてリアルタイムで確認されました。
主な検証内容
- 「SENSYN CORE Monitor」による遠隔映像配信の検証
消防本部の屋上から、「DJI Dock 3」と同じカメラを搭載したドローン（「DJI Matrice 4T」）を飛ばし、「SENSYN CORE Monitor」を使ってその映像を本部に映し出しました。映像の遅れや画質に問題がないことが確認されました。 - 遠隔操作とリアルタイム投影の確認
消防本部内の会議室からパソコンを使い、東出張所に設置された「DJI Dock 3」を遠隔で操作しました。その映像が本部にリアルタイムで映し出されることが確認されました。
実証結果
今回の実証実験により、高所カメラよりも高い視点からズームカメラを使って撮影することで、より広い範囲の情報を把握できることが分かりました。また、「SENSYN CORE Monitor」を通じて、ドローンが撮影する映像を遠くから確認しても、画質や遅延に問題がないことが確認され、実際の運用を考えた最適な設置場所も検討できました。
期待される効果
迅速なデータ取得と映像共有
自律運用型ドローン基地を使うことで、指令が出てから現場の状況を把握するまでの時間が大幅に短縮され、災害が発生した直後の初動対応が素早くなることが期待されます。
また、「SENSYN CORE Monitor」と組み合わせることで、災害対応だけでなく、小松市が持つ施設の点検や巡回など、普段の業務にも活用できる可能性があります。
広域かつ多角的な状況把握
高所カメラでは捉えきれない被災状況や被害の大きさを、広い範囲から様々な角度で映像を撮ることで、正確かつ迅速に把握できるようになりました。取得した映像は、「災害時に異常があるかを確認できるレベル」であり、「街に異常がないかの確認」や「車両の台数や人の有無の確認」が可能でした。これにより、事故や煙の発生など、最初の確認に十分に活用できる有効な手段であることが示されました。
今後の展望
小松市消防本部は、他の自治体に先駆けてドローンの活用に取り組んできました。今回の実証実験の結果も踏まえ、さらに迅速な災害対応と被害を減らすための体制づくりを目指します。
センシンロボティクスは、今回の成果を基に、災害対応において、ソリューション開発プラットフォーム「SENSYN CORE」の活用を通じて、より高度で実用的な取り組みを進めていく予定です。
