大林組の教育訓練校に「型枠メタバーストレーニング」導入 – 建設現場の技能向上へ

株式会社積木製作と株式会社大林組は、建設現場の型枠組立をメタバース空間で体験できる「型枠メタバーストレーニング」を共同で開発しました。

VRトレーニングの様子

このシステムは、特に品質に焦点を当て、受講者が型枠組立に必要な手順や注意点を共同作業を通して学べるように設計されています。最大6名が同時に参加でき、3台の大画面モニターを使ったVR(仮想現実)とMR(複合現実)のシステムで、講師と受講者、そして見学者が互いに話し合いながらトレーニングを進めることが可能です。

システムの主な特徴

「型枠メタバーストレーニング」には、実践的な学習をサポートするための様々な機能が備わっています。

実践的なトレーニングシナリオ

型枠組立の一連の作業をチャプター(章立て)で体験できます。事前準備から始まり、柱、壁、大梁、小梁、スラブの建込み、そしてまとめまで、段階的に学習を進めることができます。特定のチャプターだけを選んで学ぶことも、最初から最後まで通して実施することも可能です。

チャプター選択UI

豊富な機能

  • 講師機能: パソコンの画面で視点を変えたり、チャプターを切り替えたり、VRとMRの表示を切り替えたりできます。また、受講者の参加状況やスコアを確認することも可能です。

  • 受講者機能: 図面を確認しながら、型枠を運んだり設置したり、様々な工具を使う体験ができます。

AR/BIM活用イメージ

VR/ARシミュレーション作業員

AR/MR設計図確認

VRシミュレーションでの工具使用

ツール選択UI

VRでの型枠工事

  • 重力切り替え機能: 重力を「オン」にすると、支えが必要な梁の型枠を設置する際などに、みんなで協力して作業する必要があり、より実際の現場に近い訓練ができます。

  • 振り返り学習機能: 大画面モニターにリアルタイムでトレーニングの様子を映し出すだけでなく、体験した内容を保存して後から見返すこともできます。

今後の活用と展望

このシステムは、大林組が埼玉県八潮市に持つ「大林組林友会教育訓練校」の中に、2023年に新しく作られた「O-DXルーム」で教育に使われる予定です。

積木製作と大林組は、2023年度の「玉掛メタバース」、2024年度の「コンクリート打設メタバース」に続き、今回の「型枠メタバーストレーニング」でも協力しました。今後は、これまでに開発された玉掛やコンクリート打設のメタバースの機能をさらに良くしたり、型枠メタバースに安全に関する機能を追加したりする計画です。

VRやMRといった技術を活用した解決策を提供することで、建設業界が抱える人材育成の課題に対応し、安全で効率的な工事の実現に貢献していくことが期待されます。

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