回路設計の負担を大幅削減!AIツール「Librizer」が部品ライブラリ作成を9割効率化
株式会社Leacronは、電子回路設計の現場で課題となっていた部品ライブラリの作成作業を大きく効率化するAIツール「Librizer」の提供を開始しました。
Librizerとは
「Librizer」は、電子部品のデータシート(PDF形式)を読み込むだけで、AIが自動的に回路図シンボルとPCBフットプリントを作成するソフトウェアです。これまで手作業で行われていたこれらの作業を自動化し、設計にかかる時間を大幅に減らすことを目指しています。

開発の背景:手作業が設計のボトルネックに
新しい電子部品を使う際には、その部品のデータシートを見ながら、ピンの番号やパッケージの形といった情報を整理し、回路図シンボルやPCBフットプリントを一つずつ手作業で作る必要がありました。特に、新しい製品の研究開発や試作品を作る現場では、最新の部品を使う機会が多く、この手作業が設計全体の進みを遅らせる原因となっていました。
Leacronは、この時間のかかる作業をソフトウェアで自動化できれば、設計者がもっと大切な回路設計や性能の確認に集中できるようになると考え、「Librizer」の開発を進めました。
Librizerの主な特徴
「Librizer」には、設計作業を効率化する二つの大きな特徴があります。
1. 回路図シンボルの自動生成
AIがデータシートに書かれたピンの情報を読み取り、回路図で使うシンボルを自動で作ります。これにより、これまで手作業で入力していたピンの情報やシンボル作成の時間を大幅に減らすことができます。
2. PCBフットプリントの自動生成
データシートに書かれた部品のパッケージ情報をもとに、プリント基板(PCB)設計で使うフットプリントを自動で生成します。パッドの配置や間隔など、基板設計の準備段階の作業が効率よく進められます。

これらの機能を活用することで、電子回路設計の準備にかかる時間を短くし、設計者が本来の設計作業に集中できる環境を提供します。
独自技術:AIの弱点を補う「ハイブリッド・アプローチ」
「Librizer」は、特に高い精度が求められるPCBフットプリントの生成において、独自の「ハイブリッド・アプローチ」という技術を使っています。
- VLM(Vision Language Model)による寸法情報の取得: AI技術の一つであるVLMが、データシートから部品の寸法情報を読み取ります。
- 古典的アルゴリズムによる図形推定: 昔から使われている計算方法で、図形の形を正確に推定します。
- 図形推定結果をもとに再度VLMで寸法情報を取得: 一度推定した図形の情報をもとに、もう一度VLMを使って寸法情報を確認し、修正します。

この方法により、VLMだけでは起こりやすかった寸法のずれを抑え、より正確な寸法情報を得ることが可能になりました。
今後の展開
Leacronは、「Librizer」を単なる部品ライブラリ生成ツールにとどめず、回路設計の最初の段階を効率化する支援ツールとしてさらに進化させていく計画です。
将来的には、ピンの配置や配線の配置を自動で最適化する機能、部品のデータベースと連携する機能などを加え、設計者がデータシートの読み取りやライブラリ作成に費やす時間をAIで自動化し、回路設計の立ち上げにかかる時間を大幅に減らすことを目指しています。
また、「Librizer」の基盤となる図面解析技術は、電子部品のデータシートだけでなく、建築図面、機械設計図、特許図面など、さまざまな技術図面の構造を解析する技術として応用できる可能性があります。今後は、PDF図面から得られる情報をより幅広く活用できる技術として、研究開発を進めていくとのことです。
「Librizer」の詳細については、以下のサービスURLをご覧ください。
株式会社Leacronについて
株式会社Leacronは、東京科学大学(旧東京工業大学)発のスタートアップ企業です。代表取締役社長は高安優多氏。2025年1月30日に設立され、東京都渋谷区に本社を構えています。同社の詳細については、以下のコーポレートサイトをご確認ください。
本件に関するお問い合わせは、以下のフォームから可能です。


