充電インフラがない建設現場でも電動建機が動く!移動式給電の実証試験に成功
電動建機の普及を後押しする「移動式給電」
近年、地球温暖化対策として電動建機の導入が日本国内でも進んでいます。しかし、建設現場では充電施設が整っていない場所が多く、充電時間の確保も難しいため、電動建機を導入したくてもできないという課題がありました。
このような課題を解決するため、ベルエナジー株式会社と日立建機株式会社は、移動式の給電車「MESTA Gen(メスタ・ジェン)」を使った電力供給の実証試験を共同で行いました。

実証試験の概要と成果
この実証試験は、2025年11月10日から14日までの5日間、東京都府中市の建設現場で実施されました。充電設備がない現場を想定し、日立建機のバッテリー駆動式ショベル「ZX55U-6EB」へ、ベルエナジーの移動式給電車「MESTA Gen」1台で電力を供給しました。
「MESTA Gen」は、近くの充電ステーションで充電した後、建設現場に戻ってショベルカーに直接給電する運用が行われました。日立建機が定めた作業スケジュールやショベルカーの実際の動きを予測し、最適なタイミングで給電車を現場に配車する計画に基づいて実施されました。
その結果、充電設備がない建設現場でも、「MESTA Gen」とバッテリー駆動式ショベルを組み合わせることで、外構工事を安定して行えることが確認されました。この試験は、エネルギーの管理において、どのような充電計画が最も効果的かを知る上でも役立ちました。
「MESTA Gen」とは
「MESTA Gen」は、ベルエナジーの特許技術(特許第7751328号)を使って作られた、電気自動車(EV)をベースにした電源車です。この電源車は、充電から現場への移動、電力供給まで、排気ガスや騒音を出さない「ゼロエミッション」で運用できます。
従来のディーゼル発電機とは異なり、環境に優しく、建設現場だけでなく、仮設設備やイベント会場など、さまざまな場所で電力を供給できます。また、工事の進み具合に合わせて自由に移動できるため、固定された充電設備のように設置場所を慎重に考える必要がありません。
MESTA Genの主な性能は以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 最大出力 | 50kW |
| 出力電圧 | 200V/400V(三相交流) |
| 単相交流出力 | 約5kW(200V) |
| 出力接続端子 | 端子台(L1/L2/L3/N/G) |
今後の展望
ベルエナジーは、今回の実証試験で得られた経験を活かし、建設現場での電動建機への電力供給サービスをさらに充実させていく予定です。移動式の給電という柔軟な方法で、充電設備の課題を解決し、建設業界が二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に貢献していきます。
今後も、日立建機をはじめとするパートナー企業と協力し、電動建機の普及と持続可能な社会の実現に向けた取り組みを加速させていく方針です。
ベルエナジーの詳細については、以下のリンクから確認できます。
ベルエナジー株式会社について
ベルエナジー株式会社は、「地球環境の改善に貢献する」という目標を掲げ、排気ガスを出さず、移動できることに特化した新しいエネルギーソリューションを開発する企業です。EV専用のモバイル急速充電器「Roadie」を始め、「MESTA Pro」や「MESTA Gen」といった独自の製品シリーズを展開しています。これらの技術を活用し、必要な場所にきれいな電力を届けるサービス「電気の宅配便®」を提供し、ゼロエミッション社会への移行を加速させています。


