ラグロフ設計工房が描く未来:河川・砂防分野の設計を次世代につなぐ「再生産可能な社会インフラ」へ

設計を「再生産可能な社会インフラ」へ

株式会社ラグロフ設計工房は、2026年の年頭にあたり、「設計を、再生産可能な社会インフラへ」という新たなビジョンを発表しました。同社は、国土強靭化と防災DXを推進し、河川・砂防分野における設計の判断を次世代へと確実につなぐことを目指しています。

株式会社ラグロフ設計工房 2026年 年頭所感

現場の「判断」が次世代に伝わらない課題

国が災害に強い国づくりを進める中で、ただたくさんの施設を作るだけでなく、もっと大切なことがあります。気候変動により災害のリスクが常に変わる中、現場で得られた大切な知識や判断が、特定のベテラン個人の経験に頼ってしまったり、一時的なチームだけで終わってしまったりして、次に活かされにくいという問題があります。

同社は、このような「判断が形として残りにくいこと」が、災害に強い国づくりを早く進め、同じように良い結果を出すことを難しくしている大きな原因だと考えています。特に河川・砂防の分野では、地形や地質が複雑であること、災害時にはすぐに判断が必要なこと、そして設計から工事、その後の維持管理までが分断されがちなため、人の経験に頼った設計や判断が当たり前になりやすい状況です。災害時に高度な判断が求められる際も、その判断の過程や理由が十分に次に伝わらないまま、次の対応に進まざるを得ないこともあります。これは個人の能力の問題ではなく、設計や防災の仕組みの問題だと指摘されています。

防災DXとAIで「判断」を記録し、つなぎ、再利用する

ラグロフ設計工房は、防災分野のデジタル変革(DX)を、ただ仕事を効率良くするだけでなく、設計の判断や現地の状況を「きちんと記録し、それらを結びつけ、何度でも使えるように変えていく」大切な取り組みだと考えています。そのために、河川の状況や斜面の変化を把握するための監視(モニタリング)を強化し、画像やデータをもとに、必要な判断へ最短でたどり着ける流れを作ります。

また、AIは、人の仕事を完全に置き換える道具ではなく、判断の理由を見つけ出したり、色々な判断を比べたり、次の世代へ知識を受け継ぐための手助けをする道具として使うことで、現場での大切な決定を支える仕組みを作っていきます。

砂防設計の自動化が目指すもの

同社が進める砂防設計の自動化は、単に手間を省くためのものではありません。設計を「人の技術」としてではなく、「構造化された判断のまとまり」として扱い、判断の理由を再利用できる形で組織に定着させることを目的としています。自動化によって人を減らすのではなく、人が本来集中すべき、より高度な判断や説明、関係者との合意形成に時間を割けるようにすることが狙いです。

16年分の知見を活かし、安全な国土を次世代へ

ラグロフ設計工房は、河川・砂防分野で設計とデジタル技術を早くから結びつけ、様々な試行錯誤を重ねてきました。成功だけでなく失敗も含む16年分の知見は、特定の個人に頼らない設計体制を作るための実践的な財産となっています。同社は今、その蓄積を、組織全体で再現可能な能力へと変えていく段階にあります。

今年、同社が大切にするのは、新しい流行の技術をただ取り入れたり、色々な施策を増やすことではありません。どの判断を自動化し、どこに人が集中すべきか。その境目をはっきりさせ、安全性と生産性の両方を同時に高めます。河川監視、AI、モニタリング、砂防設計の自動化を一体で進め、国土強靭化の現場で「判断が残り、次に使える」状態を当たり前にしていきます。

安全な国土を次の世代に引き継ぐためには、個人の努力に頼る体制ではなく、知識と判断が常に循環し続ける仕組みが必要です。同社は、河川・砂防分野における設計のあり方を根本から見直すことで、国土強靭化と防災DXに真正面から向き合っていく方針です。

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