建設DX・i-Construction wpmaster 2025年12月2日 0 コメント

ブルネイ初、3Dプリンター建築による公共施設が2025年12月に一般公開開始

V3D Asia株式会社は、ブルネイ・ダルサラーム国で同国初となる3Dプリンター建築による公共施設を完成させ、2025年12月より一般公開を開始すると発表しました。完成したのは礼拝所（約232㎡）と公衆トイレ（約82㎡）で、これらはブルネイにおける3Dプリンター建築の初めての事例となります。

プロジェクトの背景と概要

世界では、人口増加による住宅不足や建設業界での人手不足、資材価格の高騰といった課題が深刻化しています。V3D Asiaは、これらの課題に対応するため、独自に開発した3D建設プリンターと、現地で手に入る一般的なコンクリート材料を3Dプリントに適した素材に変える「特殊添加剤技術」を組み合わせています。

今回のブルネイでのプロジェクトは、現地の建築基準に完全に沿った政府主導の公共施設建設であり、V3D Asiaの3Dプリント技術と素材科学が国際的に有効であることが示された事例です。

V3D Asiaの核となる技術：現地材料の活用

これまでの3Dプリンター建築では、高価な専用モルタルが必要となることが多く、これがコストや輸送の面で普及の妨げとなっていました。V3D Asiaの技術の大きな特徴は、現地で調達できる安価なモルタルに、独自の添加剤を加えるだけで、3Dプリントに最適な材料に変えられる点です。

この技術により、ブルネイの気候や材料に合わせた最適な配合が実現され、高品質な公共施設の建設に成功しました。

今後の展望

2025年12月の一般公開を皮切りに、この施設はブルネイの市民が実際に利用する公共インフラとして稼働します。V3D Asiaは、ブルネイでの成功を基盤として、インドネシアでの大規模住宅開発プロジェクト（バタム島）や、マレーシア、ベトナムなど他の国々での商業住宅プロジェクト展開を加速させていく方針です。

同社は、「3Dプリンター建築技術と素材科学技術で、世界の住宅問題を解決する」という目標を掲げ、安価で快適な住環境を世界中の人々に提供するため、建設業界の常識を変える挑戦を続けています。