タカノが生成AI活用を加速、業務自動化から製品応用まで全9部門の成果を発表
タカノ株式会社は、2026年3月27日に「第2回 生成AI活用成果報告会」を開催しました。この報告会では、「個人利用から組織活用・製品応用へ」をテーマに、製造・営業・管理など全9部門が、生成AIを使って業務の流れを新しく作り直した事例や、製品開発に直接つながる具体的な成果を発表しました。
長野県に本社を置く製造業として、AIを使った「Re-Engineering Work(仕事の再構築)」を進め、会社が長く成長し続け、お客様に新しい価値を提供することを目指しています。

開催の背景
タカノは、オフィス家具、エクステリア製品、ヘルスケア製品、産業機器、検査計測装置など、様々な事業を展開しています。これらの事業で生産性を高め、新しい価値を生み出すため、会社全体で生成AIの業務への導入を進めています。今回の報告会は、AIを個人の仕事の効率化だけでなく、「組織の財産」や「製品への応用」へと発展させることを目的として開かれました。
ゲスト基調講演:ハヤカワ五味 氏
株式会社ウツワの代表取締役であるハヤカワ五味氏が基調講演を行い、「2026年最新AI動向と製造業×生成AI活用」について話しました。
ハヤカワ氏は、2026年を「AIエージェント元年」と見ており、人間がAIを道具として使う段階から、「AIが自分で作業し、人間がそれを監督・判断する(AIときどき人)」時代へと大きく変わっていくと説明しました。また、製造業では、工場やロボットとAIが一緒になる「Physical AI」が重要になると指摘しました。
タカノの取り組みに対しては、「全国の企業を見ても、ここまで細かく現場の仕事にAIを取り入れようと挑戦している例は珍しい。ぜひ自信を持って進めてほしい」と、本格的なAIエージェント時代に向けた応援の言葉が送られました。

全社的な主な活用成果
報告会では、社内の様々な部署から、実際の業務や製品開発に直接つながる多様な成果が発表されました。

海外営業
事務作業の大幅な自動化により、作業時間が減り、正確さが向上しました。
異なる形式の海外顧客からの注文書データをAI-OCRで読み込み、自動翻訳を使いながら輸出用の書類を自動で作るシステムが作られました。これにより、これまで手作業で行っていたデータ入力や確認にかかる時間を大幅に減らし、仕事の効率を大きく上げ、入力ミスもなくなりました。
製品開発
生成AIを使ったオーダーメイド製品の自動設計システムが作られました。
お客様一人ひとりの体圧の分布データから、独自の3D形状や内部構造を自動で作るシステムが開発されました。生成AIのプログラミング支援を使うことで、専門のソフトウェアエンジニアがいなくても、非常に短い期間でこのシステムを自社で作り上げることができました。これにより、従来の設計やモデリングにかかる時間を大幅に短縮することに成功しました。
財務・経理
固定資産を自動で判別し、異常な数値を分析するプラットフォームが導入されました。
会社の資産データと国の基準表をAIに読み込ませ、会社独自のルールも加えて、勘定科目や使える年数を自動で判断するシステムが作られました。さらに、財務諸表の異常な数値を自動で見つけ出し、生成AIを使って経営分析レポートや予測を自動で作るプラットフォームが開発され、経営判断の質を高める仕組みが整えられました。
生産管理
自社のデータに基づいた高精度なAI需要予測と損益管理が進められています。
主力製品の需要予測では、Pythonを使って時系列予測モデル(SARIMAXやProphetなど)が作られ、自社のデータを使った検証が進められています。過去の販売実績から季節の流行や成長率をモデルに学習させることで、より正確な生産計画を実現することを目指しています。また、実績データをまとめてラインごとの損益状況を見える化し、AIによる継続的な監視で生産上の問題点を早く見つける仕組み作りや、生成AIを使った過去の品質試験データの知識化など、生産性とお客様への価値の両方を高める方法が同時に試されています。
マーケティング・企画
日報や競合情報から企画書を自動で作る仕組みが導入されました。
営業支援システム(SFA)に集められた営業活動の日報、お客様との接点情報、競合他社の情報をAIで整理・分析し、商品企画書のたたき台を自動で作る仕組みが作られました。これにより、個人の経験に頼りがちだった現場の具体的な情報を、会社全体の知識として活用できるようになりました。
この他にも、「採用WebサイトのAI活用による完全自社制作」、「経験と勘をシステム化した部品出荷システム」、「大規模なプログラムコードのAIレビュー」、「専用アプリを使った話し合いメモ作成」など、全部で9つのプロジェクトから様々な成果が共有されました。
タカノ株式会社 代表取締役社長 鷹野 雅央の総評
鷹野雅央社長は、「AIは無限の可能性を開く扉のような存在です。しかし、AI活用で最も陥りやすい間違いは、『今ある簡単な作業をそのままロボットにやらせる』ような、ごく一部の自動化(Automate)です。私たちが目指すべきは、1990年頃にアメリカで提唱された『Re-Engineering Work(仕事の再構築)』の考え方のように、『そもそもその仕事自体が必要なのか』というところから、仕事の流れを根本的に見直すことです。AIを単なる効率化の道具とするのではなく、社員の価値を高め、お客様に提供する価値を最大化するための『人のためのAI活用』を、これからも会社全体で進めていきます」と述べました。
今後の展望
タカノは、各部門で成功した事例を会社全体に広めるとともに、AIエージェントが自分で動く「AIが前提となる仕事の進め方」へと変わっていくことを目指しています。また、今回の技術開発本部での事例のように、生成AIの活用を社内の効率化だけでなく、製品を一人ひとりに合わせて作ることや、新しいビジネスモデルを生み出すことにもつなげ、「製造業から『創造業』へ」の進化を目指していくとしています。
タカノ株式会社について
タカノは、ばねの製造から始まり、オフィス家具、エクステリア製品、エレクトロニクス製品、医療・福祉関連製品、臨床検査薬と、次々に新しい分野に進出し、常に新しい製品の開発に挑戦してきました。この展開力がタカノの特徴であり、発展の源です。
「常に高い志を持ち、社会のルールを守り、世の中の変化を見すえ、持続的成長・発展を通じ、豊かな社会の実現に貢献する」という経営の基本的な考え方に基づき、これからもあらゆる可能性を追求し、まだ誰も足を踏み入れていない領域に挑戦していきます。
会社名:タカノ株式会社
所在地:〒399-4301 長野県上伊那郡宮田村137
代表者:代表取締役社長 鷹野 雅央
創業:1941年7月1日
設立:1953年7月18日
URL:https://www.takano-net.co.jp/
事業内容:事務用椅子、その他椅子等のオフィス家具、ばね、エクステリア製品、エレクトロニクス関連製品(画像処理検査装置、電磁アクチュエータ)、医療・福祉機器の製造ならびに販売


