ジョンソンコントロールズ、ギガワット級AIデータセンター向け熱管理設計ガイドを発表

AI技術の急速な発展に伴い、データを処理するデータセンターの規模と複雑さは大きく変化しています。特に、大量のデータを扱うギガワット級のAIデータセンターでは、発生する熱をいかに効率良く管理するかが重要な課題となっています。

ジョンソンコントロールズは、このような大規模AIデータセンターの熱管理に関する「リファレンス設計ガイド・シリーズ」の提供を開始しました。

データセンターのような環境に置かれたタブレットが、Johnson Controls社の「1 Gigawatt AI Factory Blueprint」という資料を表示しています。この資料は、水冷、空冷、ガス冷却、熱再利用、熱回収といった冷却システムに関する内容で、3人の男性が産業施設にいる写真も掲載されています。

ガイドの目的と内容

この設計ガイドは、AIファクトリーと呼ばれる次世代のデータセンターを設計する際の指針となるものです。ラックの密度、地域の気候、標高といったさまざまな条件に合わせて、最適な冷却システムを選ぶための情報が網羅されています。

シリーズの第1弾として、水冷チラープラントに関する詳しい設計方法が公開されました。今後は、空冷や吸収式チラーを使った冷却ソリューションについても順次ガイドが発表される予定です。

このガイドの目標は、エネルギー効率(PUE)と水使用効率(WUE)を業界トップレベルに高め、さらにさまざまな気候や運用条件に柔軟に対応できる冷却システムを提案することです。

統合された冷却アーキテクチャ

ガイドでは、液冷と空冷のIT機器から出る熱を同時に処理する、統合された冷却システムについて説明しています。具体的には、コンピューター室の空調機(CRAH)、ファンコイルウォール、冷却液分配装置(CDU)、そして高効率のYORK®遠心式チラーといった機器を、建物の自動制御システム(ビルオートメーション)と連携させる方法が示されています。

220メガワット級のデータセンターを想定した容量の設計指針や、次世代のGPU(グラフィック処理装置)を冷却するためのTCS(テクノロジー・クーリング・システム)ループを含む、主要な冷却システムの温度範囲や運転条件が定義されています。

期待される主な成果

この設計によって、以下のような成果が見込まれます。

  • 水使用ゼロ: ドライクーラーを使うことで、冷却プロセスで水を一切使わない放熱が可能になり、運用コストの削減と環境への配慮を両立できます。

  • 将来の拡張性: 高温のTCSループに対応できるため、今後登場する新しいGPUアーキテクチャにも対応しやすい柔軟な熱設計が可能です。

  • 高密度AIに最適化: NVIDIA DSXリファレンスアーキテクチャとの互換性があり、ギガワット級のAIファクトリーを効率的に構築・拡張するのに役立ちます。詳細についてはNVIDIA DSXリファレンスアーキテクチャをご覧ください。

  • 高いエネルギー効率: 高温の冷却水、二重化された冷却ループ、YORKの高リフトチラーを活用することで、業界でもトップクラスのPUE(電力使用効率)と年間を通じた効率向上を実現します。

ジョンソンコントロールズのグローバル・データセンター・ソリューションズ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるオースティン・ドメニチ氏は、「AIファクトリーは、産業規模で知能を生み出す施設です。当社の設計ガイドは、NVIDIA DSXリファレンスアーキテクチャをサポートし、高温ループの互換性を保ちながら冷却プロセスの水・エネルギー効率を高めることで、お客様がギガワット級のAIインフラを拡張性があり、繰り返し利用でき、強く、持続可能な形で展開できるよう支援します。」と述べています。

ジョンソンコントロールズについて

ジョンソンコントロールズは、スマートで健康的、そして持続可能なビルソリューションを提供するグローバルリーダーです。人々の生活空間や職場、文教施設、エンターテイメント施設など、あらゆる環境を変革しています。同社は140年以上の歴史を持ち、ヘルスケア、教育、データセンター、空港、スタジアム、工場など、多岐にわたる施設の未来を形作るデジタルソリューションパッケージ「OpenBlue」を提供しています。詳細についてはジョンソンコントロールズのウェブサイトをご覧いただくか、SNSで@JohnsonControlsをフォローしてください。

ジョンソンコントロールズの日本法人であるジョンソンコントロールズ株式会社は、中央監視、自動制御機器、空調冷熱機器、冷凍機、セキュリティシステムなどの設計、施工、保守、運用コンサルティングを提供しています。国内のオフィスビル、商業施設、医療機関、教育機関など、数多くの建物で実績があります。詳細についてはジョンソンコントロールズ日本法人のウェブサイトをご覧いただくか、SNSでフォローしてください。

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