エムティーアイとONEがベトナムに新会社「QUAVEO」を設立、AIで海運業界のDXを推進
株式会社エムティーアイとシンガポールに本社を置くOcean Network Express Pte. Ltd.(ONE)は、2025年12月にベトナムのホーチミン市で、合弁会社「QUAVEO Company Limited(クアベオ)」を共同で設立しました。
QUAVEOは、AI技術を活用して業務やビジネスモデルのデジタル変革(DX)を進めることを目的としています。両社の強みを合わせることで、コンテナ海運業界のDXを推進し、AI活用の新しい方法を生み出すことを目指します。

設立の背景と目的
ONEは世界中で260隻以上のコンテナ船を動かし、120カ国以上の国々にサービスを提供する、大きな海運会社です。しかし、市場のニーズが多様化する中で、業務をより効率的にしたり、お客様の満足度を高めたりするために、AI技術を使ったDXが求められています。海運業界では、市場の変化に対応し、安全を守り、人手不足を解決しながら、環境問題への対応も進める必要があります。
一方、エムティーアイは、長年にわたり一般のお客様や企業、自治体向けのサービスを提供し、AI技術の知識をたくさん持っています。同社は、ただ業務をデジタル化するだけでなく、AIを中心に据えて、企業や組織のビジネスのやり方や仕事の流れ、お客様への価値の提供方法そのものを変える「AI駆動DX」の実現を目指しています。
QUAVEOは、ONEが持つ海運業界での深い知識と経験、そしてエムティーアイのAI技術と人材育成のノウハウを組み合わせることで設立されました。これにより、現場で役立つAIソリューションを素早く開発・導入し、海運業界をはじめとするお客様の課題を解決し、新しい価値を生み出すことを目指します。
QUAVEOの事業内容
QUAVEOは、次のような事業を展開します。
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海運業界向けの業務最適化ソリューションの開発・提供
- 船の運航計画を高度化したり、設備の稼働を効率化したりするなど、AIを使って業務を改善します。
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お客様の体験を良くするためのAIサービスの提供
- AIによる自動応答や、お客様一人ひとりに合わせたサービスを提供することで、お客様の満足度を高めます。
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AIエージェントによる業務自動化の支援
- 事務作業や繰り返しの仕事をAIで自動化し、従業員がより大切な仕事に集中できる環境を整えます。
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AI人材の育成と自社での開発支援
- エムティーアイが培った研修のノウハウを活かし、お客様企業が自社でAI人材を育て、DXを持続的に進められるようにサポートします。
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外部企業へのAIソリューションの提供・販売
- 海運業界だけでなく、物流や製造業など、他の業界にもAIの受託開発やデータ活用支援サービスを提供します。
社名に込められた想い
「QUAVEO」という名前には、QUALITY(質)、QUANTITY(量)、IDEA(アイデア)、EVOLUTION(進化)といった、創造的で成長していくための前向きな言葉のイメージが込められています。ベトナムをはじめとする国際的なチームにとって覚えやすく、合言葉になるように選ばれました。
今後の展望
近年、ビジネス活動によって生まれるデータの量はどんどん増えていますが、この膨大なデータをうまく活用して利益につなげるのは簡単ではありません。そのため、AIを使ったDXには、まだまだ開拓されていない大きな市場が残されています。
企業がAIを利益につなげるためには、試作で終わらせるのではなく、複雑な実際の運用に耐えられるソリューションの開発と、変化に素早く対応できる体制がとても大切です。
QUAVEOは、グローバルな海運業務という複雑な現場で、ONEとエムティーアイが協力してAIを開発してきた経験や、生成AI・大規模言語モデル(LLM)のような最新技術を素早く取り入れることができる組織の力が強みです。今後は、両社の強みを活かし、海運業界だけでなく、物流や製造業など他の業界にもサービスを広げることで、AI技術による社会全体のDX推進に貢献していくことでしょう。
QUAVEO会社概要
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社名:QUAVEO Company Limited(通称:QUAVEO(クアベオ))
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所在地:ベトナム・ホーチミン市
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設立日:2025年12月
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資本金:160万USD(約2億5000万円)
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出資比率:エムティーアイ 51%、ONE 49%
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社長:猪狩 一郎(エムティーアイ 常務執行役員)
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事業内容:AI技術とデータサイエンスを活用したソリューションの開発・提供、人材育成など
関係者のコメント
エムティーアイ 常務執行役員 猪狩 一郎氏のコメント
「エムティーアイは、ベトナムの子会社であるMTI TechnologyでAI開発チームを強化し、主に自社のサービスへの導入を進めてきました。その中でONE社と出会い、デジタルサービスだけでなく、人、モノ、お金が大規模に動く実際のビジネスでAI開発力を活かす機会を得ました。現在、驚くほどの速さで進化するAI技術を、ビジネスの視点から柔軟に考えられる力が市場で求められています。新会社では、コンテナ海運業やヘルスケア事業で成果を出すとともに、より幅広いお客様企業に対して、最新のAI技術によるビジネスの変革を実現してまいります。」
Ocean Network Express Pte. Ltd. Senior Vice President 道田賢一氏のコメント
「ONEはこれまで、エムティーアイ社と長年にわたる強い協力関係を築き、その結果としてすでに複数のソリューションを自社で開発してきました。コンテナ海運業界では現在、AIやLLMを活用したサービスの品質向上や業務の効率化へのニーズが急速に高まっています。今回の新会社設立を通じて、このようなニーズに応える競争力の高いAI・LLMソリューションを、これまで以上に迅速かつ大規模に導入するとともに、優秀なAI人材の確保も積極的に進めていきたいと考えています。」
各社の概要
株式会社エムティーアイ
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代表取締役社長:前多 俊宏
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本社所在地:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー35F
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事業内容:コンテンツ事業、ヘルスケア事業、学校DX事業、その他事業(AI 、法人向け DX 支援など)
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ウェブサイト:https://www.mti.co.jp/
Ocean Network Express Pte. Ltd.
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CEO:ジェレミー・ニクソン
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本社所在地:7 Straits View, #16-01 Marina ONE East Tower, Singapore 018936
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事業内容:コンテナ海運事業
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ウェブサイト:https://www.one-line.com/
用語解説
Large Language Model(LLM、大規模言語モデル):たくさんの文章データを学習して、人間の言葉を理解したり、作り出したりする能力を持つ人工知能です。言葉の処理だけでなく、画像や動画、音楽の生成、ロボットの操作など、様々な分野で使われており、今の人工知能技術の進化の中心的な役割を担っています。


