建設現場の熱中症対策を強化へ:深部体温でリスクを検知する新システム開発

鉄建建設株式会社は、スウェーデンのJonDeTech Sensors AB (Publ.)、そして株式会社AFURと協力し、建設現場で働く人々の熱中症リスクを早く見つけるためのシステム開発を始めました。

白いシリコン製リストバンド型のウェアラブルデバイスの内部構造

なぜ新しいシステムが必要なのか

これまでの熱中症対策では、現場の暑さや湿度を示す「WBGT(湿球黒球温度)」という指標が主に使われてきました。しかし、この新しいシステムでは、WBGTだけでなく、作業員一人ひとりの「深部体温」の変化をリアルタイムで把握することを目指しています。深部体温とは、脳や内臓など、体の中心部分の温度のことです。この深部体温を正確に知ることで、熱中症になる危険性をより早く見つけることができるようになります。

深部体温を測る技術について

このシステムでは、JonDeTechが開発した、とても小さな非接触型のデジタル赤外線センサーを使います。このセンサーは、手首に装着するウェアラブルデバイスとして使われ、体の熱の流れ(熱流束)を直接測定します。これにより、従来の腕時計型のデバイスが熱の流れを予測していたのに対し、より正確に深部体温の変化を知ることが可能になります。この技術によって、熱中症リスクの検知がより信頼性の高いものになると期待されています。

開発の背景にある社会の動き

近年、日本では非常に暑い日が増え、熱中症で病院に運ばれる人が急増しています。このような状況を受け、2025年6月1日には改正労働安全衛生法が施行されました。この法律では、WBGTが28℃以上、または気温が31℃以上になる場所で、長時間作業をする場合、事業者は熱中症の危険がある労働者を早く見つけ、適切に対応することが義務付けられています。

今後の展望

鉄建建設株式会社は、JonDeTech Sensors AB (Publ.)、株式会社AFURとともに、建設現場でこの熱中症リスク検知システムを実際に使えるようにするための検証を続けていきます。このシステムが実用化されれば、熱中症の危険がある人を早期に発見し、対応が遅れることを防ぐことで、熱中症が重症化するのを防ぐことができるでしょう。

作業員一人ひとりに熱中症の危険度を知らせるモデルは、2026年4月から5月頃に販売が始まる予定です。

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