建設現場の安全を強化:足場の安全情報をBIMで「見える化」する「仮設8D BIM」特設サイトが公開

はじめに:建設現場の安全を高める新サイト

建設現場で使われる足場の安全情報を、BIM(3次元モデル)を使って「見える化」する「仮設8D BIM」の特設サイトが、2026年2月2日に公開されました。

このサイトは、株式会社ダイサンと一般社団法人仮設工業会が、建設現場でのBIM活用と安全衛生水準の向上を目指して共同で開発したものです。足場の部位ごとに考えられる危険と、それに対応するルールなどの情報を「安全衛生情報デジタルパッケージ」としてまとめ、公開しています。

特設サイトはこちらからご覧いただけます。
https://kasetsu-digital.com/

枠組み足場の8D BIMモデルが示すリスクポイントの例

「8D BIM」とは?「安全」をプラスした新しい考え方

BIM(Building Information Modeling)は、建物の情報を3次元モデルで管理する仕組みです。これまでは、BIMに「時間(4D)」「コスト(5D)」「サステナビリティ(6D)」「メンテナンス(7D)」といった概念が加えられてきました。

仮設工業会では、これらの概念に「安全性(Safety)」をさらに加えたものを「8D BIM」と名付けました。これにより、これまで標準的なモデルがなかった「BIMモデルにどのような安全情報を加えるべきか」という問いに対し、足場の各危険部位に必要な安全衛生情報を整理して提示するモデルが作られました。

「安全衛生情報デジタルパッケージ」のポイント

このサイトでは、足場の3Dモデル上で危険な場所(リスクポイント)を特定し、必要な安全情報を結びつけて見ることができます。

1. 安全情報のマトリクス化(リスクポイント × 情報カテゴリー)

足場の「どこが危ないか(リスクポイント)」と「何を知るべきか(情報カテゴリー)」をかけ合わせることで、必要な情報を網羅的に整理しています。

  • リスクポイント(R):足場の脚部、壁つなぎ、最大積載荷重、墜落防止措置など、事故が起きやすい箇所や注意すべき部位を特定しています。

  • 情報カテゴリー(C):LOD(詳細図)、仕様、法令、強度計算、組立・解体手順、災害事例、ヒヤリハット事例、グッジョブ事例の8つの分類で、各部位に必要な情報をまとめています。

2. 2大足場工法を網羅

日本国内の建設現場でよく使われる以下の2種類の足場について、たくさんの情報が整理されています。

  • 枠組足場:16のリスクポイント × 8つの情報カテゴリー = 合計128項目の情報

  • 手すり先行システム足場(くさび緊結式):26のリスクポイント × 8つの情報カテゴリー = 合計208項目の情報

3. 視覚的なリスク管理

ウェブサイト上で、3Dイメージ上のピン(タグ)を選ぶと、その場所に関連する法令や過去の災害事例などの詳しい情報をすぐに確認できます。

建物に設置された多層構造の足場の3Dモデル

L字型の建物構造を囲むように組まれた足場の3Dモデル

4. 強度計算システム

部材の数量などを入力すると、足場の強度計算を自動で行う機能も含まれています(手すり先行システム足場については、基本的な設置の場合のみです)。

足場の強度計算を行うウェブインターフェースの「STEP1」を示す画像

システム足場のC4強度計算を行うための入力フォーム

活用のメリット

このシステムを活用することで、以下のようなメリットが期待されます。

  • BIMデータの属性情報として活用:建設会社やBIMを操作する人が足場モデルを作る際に、どのような安全情報を加えるべきかの手引きとして使えます。

  • 安全教育・計画作成の支援:現場での危険予測や作業手順書を作る際に、もれなく確認できるチェックリストとして役立ち、安全な計画づくりをサポートします。

  • 安全の見える化:経験の浅い技術者でも、どこにどんな危険があり、どんな基準を守るべきかを直感的に学び、確認できます。

今後の展開:KATETOSとメタバースとの連携

今回作られた「安全衛生情報デジタルパッケージ」を土台として、さらに建設現場のデジタル化(建設DX)を進めるために、以下の連携が検討・推進されていきます。

1. 「KATETOS(カテトス)」とのデータ連携

仮設工業会が提供する、現場からの報告アプリ「KATETOS」との連携が進められます。現場から「KATETOS」を通じて報告される「ヒヤリ・ハット事例」や「グッジョブ(優良事例)」といった、現場で実際に起きたデータが、このサイトのBIM安全情報にフィードバックされます。これにより、現場の状況に合った、より高度な危険情報が提供されることが期待されます。

KATETOSは、AIヒアリング、ヒヤリとグッジョブの両方からの情報収集、現場の困難への対応力(レジリエンス)の強化という3つの特徴を持つアプリです。

2. メタバース(仮想空間)での高度な安全教育・管理

整理された3Dデータと安全情報は、メタバース(仮想空間)へと広げられることが検討されています。現実の世界とつながるデジタルツインの環境で、アバターを使ったリアルな安全教育(XR教育)や、遠く離れた場所からの安全パトロール、危険箇所のシミュレーションなど、未来の安全管理方法が確立されることを目指しています。

サイト概要

  • 名称:一般社団法人仮設工業会 安全と生産性を高めるレジリエンス能力向上対策

  • URLhttps://kasetsu-digital.com/

  • 公開日:2026年2月2日

  • 利用について:個人の学習や検証を目的とする場合は無料で利用できます。法人での利用や業務への組み込み、商用利用の場合は、事前に仮設工業会の許諾が必要です。

一般社団法人仮設工業会について

一般社団法人仮設工業会は、建設工事で使われる仮設の建物やその部品について、必要な構造や使い方の基準を定め、広く知らせる活動をしています。また、それらの試験や技術的な指導を通じて、仮設構造物に関わる労働災害を防ぎ、工事がスムーズに進むことに貢献することを目的に設立されました。

  • 名称:一般社団法人仮設工業会

  • 本部事務局:〒108-0014 東京都港区芝5-26-20 建築会館6階

  • 会長:豊澤 康男

  • 設立:1968年5月29日

  • ウェブサイトhttps://www.kasetsu.or.jp/

株式会社ダイサンについて

株式会社ダイサンは、くさび緊結式足場「ビケ足場」の施工サービスや、次世代足場「レボルト」のレンタル、ビケ足場・レボルト・建築金物・仮設機材の製造・販売を行っています。また、新しく始まったデジタル事業部では、建設業界全体のデジタル化(DX)に貢献するため、デジタル事業の基盤を作り、DXをより強化する取り組みを進めています。

  • 社名:株式会社ダイサン

  • 本社所在地:〒541-0054 大阪府大阪市中央区南本町二丁目6番12号 サンマリオンタワー3階

  • 代表取締役:藤田 武敏

  • 事業内容

    • クサビ式足場「ビケ足場」の施工サービス

    • 次世代足場「レボルト」のレンタル

    • 建築金物・仮設機材の製造・販売

    • コンピュータシステムおよびソフトウエアの企画、開発、販売

    • 監視用カメラの開発、販売、レンタル

    • 電子機器の企画、開発、製造・販売、レンタル

    • 教育研修サービス

  • 設立:1975年4月1日

  • ウェブサイト

×