古野電気、兵庫県と水上ドローンボートでダム堆砂量計測の実証実験を実施

古野電気株式会社は、兵庫県土木部と協力し、ダムの堆砂量を測るための新しい技術を試す実証実験を行いました。

水上ドローンボートが湖面を航行する様子

実証実験の目的

兵庫県土木部は、県内にある21のダムを管理しており、1年から2年に一度、ダムの底にたまった土砂(堆砂)の量を測っています。これまでは、シングルビームソナーや重りを使った測量方法で堆砂量を計算していましたが、最近では、測量にかかる手間や費用を減らし、もっと正確にダムの形を知りたい、そして測量方法をデジタル化したいという課題がありました。この課題を解決するため、古野電気の水上ドローンボート「FBUSV-1」を使った実証実験が行われました。

計測内容と効率化

今回の実験では、過去の測量で使われた線(100メートル間隔)に沿ってダムを横断するように計測しました。使用したマルチビームソナーは、広い範囲を一度に測れるため、少ない測線数でダム全体をカバーでき、より正確に堆砂の形を把握できるようになります。

水深測量データが重ねられた衛星画像

従来の測量方法と「FBUSV-1」を使った方法を比較すると、次のような違いがありました。

シングルビーム マルチビームソナー(FBUSV-1)
準備・撤収時間 2.5時間 0.5時間
計測時間 3時間 2時間
計測精度

この実証実験では、測量の前後の準備や片付けにかかる時間を大きく減らすことができました。また、計測中はドローンが測線に沿って自動で進むため、人が船を操らなくても正確に測量できたとのことです。

使用機器「FBUSV-1」について

実証実験で使われたのは、深浅測量向けのマルチビームソナーを搭載した水上ドローンボート「FBUSV-1」です。これは、古野電気が現在開発を進めている小型の水上ドローンボートの試作機で、「初めてでも使いやすい」「小型で軽い(約25kg)」ことを考えて作られました。この新しい技術は、国土交通省の新しい技術情報提供システム「NETIS」への登録申請が進められています。今後、ダムだけでなく、ため池や川、港など、さまざまな場所での活躍が期待されています。

「FBUSV-1」の主な特徴

  1. 導入しやすい

    • 測量に関する専門知識が少なくても導入でき、現場での負担を減らせる簡単なシステムです。

    • 必要な機器やソフトウェアがセットになったパッケージで提供されます。

    • 「ダム貯水池土砂管理の手引き(案)」に基づき、機能や精度を見直すことでコストを抑えた設計になっています。

  2. 現場での使いやすさ

    • 組み立てが簡単で、宅配便で送れるほどコンパクトです。

    • 作業は最少2人で行うことができ、他の方法(3~5人)と比べて少ない人数で対応可能です。

    • 人が乗った船では入れないような浅い場所でもデータを集めることができます。

  3. 安心の設計とサポート体制

    • 船本体、センサー、ソフトウェアまで全てを古野電気が設計しており、専用の窓口でサポートを受けられます。

    • CADのデータ形式(DXF、TIN)での出力にも対応しています。

古野電気は、これからも「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」という目標のもと、海、陸、空のあらゆる分野で技術を革新し、新しい価値を生み出すことに積極的に取り組んでいくとのことです。

関連情報

古野電気の新しい事業や技術、企業との協力、地域との交流やイベントなどについては、以下のサイトで詳しく紹介されています。

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