RYODEN、新潟人工知能研究所、事業創造大学院大学が協業し、生成AIマニュアル読解システム「CataReru™」を開発・運用開始
生成AIマニュアル読解システム「CataReru™」が運用開始
株式会社RYODEN、株式会社新潟人工知能研究所、および学校法人新潟総合学園 事業創造大学院大学は、共同で「CataReru™(カタレル)」という生成AIマニュアル読解システムを開発しました。このシステムは2025年10月からRYODENの社内で使われ始めています。

「CataReru™」とは
「CataReru™」は、生成AIとRAG(検索拡張生成)という技術を組み合わせたシステムです。これは、専門的な文書を読み解くのを助けるもので、特に製造業や保守サービス業で、ベテラン技術者の知識を若い世代に伝えたり、お客様からの問い合わせに素早く対応したりすることを目的としています。
最近の製造現場では、経験豊かな技術者が定年退職することが多く、その人しか知らない技術やトラブル解決のコツが失われてしまうことが問題になっています。たくさんのマニュアルや過去の資料の中から、必要な情報を見つけ出すのに時間がかかったり、経験者に聞かないとわからないことも少なくありません。
「CataReru™」は、これらの大量の文書をAIが自動で分析し、質問に対して最も適切な部分を探し出して引用し、回答を作り出します。これにより、専門的な質問にも経験が少ない担当者でも迅速に答えられるようになり、ベテランの「経験」を補うことができます。人手不足が進む現場で、知識をわかりやすく整理し、みんなで共有できるようになります。特に、技術的な営業やメンテナンスのサポートなど、専門的な知識と素早い対応が求められる分野で、特定の人の知識に頼りすぎることなく、仕事の質を一定に保ち、生産性を高めるのに役立ちます。FA(ファクトリーオートメーション)やデバイスに関する専門知識を長年培ってきたRYODENだからこそ作れた解決策です。
今後の計画
RYODENはまずこのシステムを社内で使い、AIの回答の質を評価し、運用する上でのノウハウを蓄積していきます。将来的には、このシステムを社外にも提供することを検討しています。また、生成AIの精度をさらに高めるだけでなく、画像や動画、図面など、さまざまな種類の情報をまとめて理解できるマルチモーダルRAG技術の発展を目指し、製造現場のデジタル化(DX化)と知識の継承を支援する実証実験や社会での活用を進めていく予定です。
協業のきっかけ
2024年4月、RYODEN、新潟人工知能研究所、事業創造大学院大学の3者は「生成AIの事業応用における協業」を発表しました。今回の「CataReru™」の開発は、この協業から生まれた具体的な成果の一つであり、企業と大学が協力してAIを社会で活用するモデルとして位置づけられています。
関係者のコメント
株式会社RYODEN 代表取締役社長 富澤 克行氏
「今回の協業は、RYODENが進める生成AIの社会での活用をさらに進めるものであり、私たちが目指す『事業創出会社』としての成長を示す重要な一歩です。生成AIのような新しい技術を活用し、産業や社会の変革を支える新しい価値を生み出し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。」
株式会社新潟人工知能研究所 取締役社長 上坂 高寛氏
「生成AIが実際に使われることは、研究開発の枠を超え、現場で価値を生み出す段階へと進化しています。今回の協業を通じて、これまで培ってきた技術を実証から実際の活用へと発展させることができました。これからも連携を深めながら、より多くの産業の課題解決に貢献し、AIが人と社会に寄り添う形で活用されていく未来を目指していきます。」
学校法人新潟総合学園 事業創造大学院大学 学長 黒田 達也氏
「今回の協業は、今年度から本学が掲げる『“超”実践型ビジネススクール』の代表的な産学共同事例として注目しています。今回開発されたシステムは、特に地方の製造業などで深刻なベテラン技術者の知識継承問題の解決に役立つものであり、このシステムが市場に広がることで、地方経済にどのような変化をもたらすのか、広い視点からも学術的に非常に興味深いです。」
各社について
RYODEN
RYODENは、「人とテクノロジーをつなぐ力で”ワクワク”をカタチにする」ことを目標とし、「未来を共創するエクセレントカンパニー」の実現を目指しています。2000社以上のパートナー企業とのネットワークを活かし、常に新しい技術を組み合わせて未来の解決策を創造しています。FAシステム、冷熱ビルシステム、エレクトロニクスといった主要な事業の技術を基盤に、スマート農業や医療IT化、脱炭素などの社会課題にも向き合い、新しい発想で未来を革新し続けています。
新潟人工知能研究所
新潟人工知能研究所は、2017年にNSGグループの一員として設立されたベンチャー企業です。人工知能を使った製品の開発や、企業が持つさまざまなデータの分析を通じて、お客様の課題解決や意思決定をサポートしています。また、大学や専門学校との連携、社会人向けのセミナーや教材開発を通じて、AIの知識を持つ人材の育成も進めています。「人と地域と地球に寄り添うAI技術の活用」をミッションとし、地域社会の生産性向上と地域創生に貢献することを目指しています。
- ホームページ: https://nai-lab.com/
事業創造大学院大学
事業創造大学院大学は、創立19年目のビジネススクールで、世界的な視野を持った起業家や実業家を育てることを目指しています。経営管理修士(専門職)MBAを取得でき、日本経済とグローバル経済の発展に貢献する事業や企業を、独立して、または組織の中で作り出し経営する人材を育成するため、2年間で具体的な「事業計画書」を作成します。世界16カ国の大学と交流協定を結び、多くの留学生も学んでおり、多様な環境で学ぶことができます。
- ホームページ: https://www.jigyo.ac.jp/
関連情報
生成AIの事業応用における協業開始に関するニュースリリース(2024年4月18日発表)は以下から確認できます。
ご不明な点がありましたら、各社へお問い合わせください。


