New Space IntelligenceとAIVALIXが協業、衛星データとAIでインフラの「見えない変化」を可視化

ビジネスの協力イメージ

株式会社New Space Intelligence(以下、NSI)とAIVALIX株式会社は、インフラメンテナンスの分野で衛星データを活用するためのパートナーシップを結びました。この提携は、社会インフラの広範囲な監視を目指すものです。

衛星データとAIの融合でインフラを守る

NSIは、さまざまな種類の衛星データを集めて分析し、地上の状況変化を高い頻度と精度で把握する独自の自動システム「衛星データパイプライン®」を提供しています。一方、AIVALIXは、現場でのAI解析技術と点検に関する知識を持っています。

今回の提携では、NSIが持つ「広範囲を一度に見渡し、変化を見つけ出すデータ解析力」と、AIVALIXの「現場に基づいたAI解析と点検の専門知識」を組み合わせることで、これまでになかった新しいインフラメンテナンスの形を作り出すことを目指しています。

協業で目指す3つの方向性

両社は、インフラメンテナンスの未来を切り開くため、以下の3つの方向性で協力していきます。

  1. AI解析の精度向上と異常の兆候把握
    事業者様が持つ点検データやAIVALIXが独自に集めたデータに、NSIの衛星データを加えることで、AIVALIXのAI解析がさらに正確になります。広範囲の変化を捉えられる衛星データを活用することで、地上データだけでは見つけにくかった「異常の兆候」を補い、故障の予測や点検の判断をより確かなものにつなげます。

  2. 現場でのデータ活用推進
    AIVALIXのAI解析技術は、点検データや現場の知識と結びつけることで、衛星が捉えた「地上の変化情報」を実際の業務で役立つ形に変えていきます。現場のリアルな情報と衛星からの広い視点を合わせることで、メンテナンスの質と効率が大きく向上するでしょう。

  3. 多様なインフラへの展開
    水道をはじめ、ガス、鉄道、道路、橋梁、港湾など、さまざまなインフラに対して、「広範囲」「高頻度」「現場に密着した形」での監視を段階的に広げていきます。

この提携は、インフラを「より確実に、より効率的に」守るための、全く新しいメンテナンスの形を作ることを目指しています。

今後の展望

今後は、まず水道インフラの広範囲な監視から始め、少しずつ対象領域を広げていきます。これにより、インフラの異常を事前に察知し、維持管理を行うための新しい方法を提供することになります。日本国内だけでなく、水道インフラの課題が大きいアジアや中東地域にもこの技術を広げ、社会で実際に使われるように進めていく予定です。

両社代表からのコメント

New Space Intelligence 代表取締役社長CEO 長井裕美子氏

NSI 長井裕美子 代表取締役社長CEO

「AIVALIX様との協業は、インフラ監視の未来を大きく変えるための重要な一歩だと感じています。NSIの衛星データとAIVALIX様のAI・地上データが合わさることで、『広範囲を見通す宇宙の視点』と『現場を支える専門知識』が一つになります。インフラの安全・安心のために日々努力されている方々が、より確かな情報に基づき、より早く、より正しい判断ができる世界を作りたい。その未来を実現するために、私たちは真剣に取り組んでまいります。衛星とAIが融合した新しいインフラメンテナンスの形を、AIVALIX様と共に作り上げていけることに、心から期待しています。人々の生活を支える社会基盤を、次の時代へ。宇宙からの視点と現場の知識の力で、その未来を切り開いてまいります。」

AIVALIX株式会社 代表取締役社長 中山太洋氏

AIVALIX 中山太洋 代表取締役社長

「AIVALIXはこれまで、現場で集められた点検データや運用知識を使ったAI解析を行ってきました。ここにNSI様の衛星データを加えることで、広範囲の変化をより早く、正確に捉え、AI解析の精度をさらに高めることが可能になると期待されます。インフラの老朽化や人手不足が深刻化する中で、現場の負担を減らしつつ安全性を高めるためには、テクノロジーによる『異常の事前検知』が不可欠です。今回の協業により、地上のデータと宇宙からの広い視点を結びつけ、新しい予測モデルやメンテナンスモデルを実現していきます。衛星とAIが融合することで、インフラの状態変化をこれまでよりも早く、深く理解し、適切な更新や点検の判断につなげられる世界が開けていくでしょう。AIVALIXは、NSI様と共に、インフラの耐久性をさらに高め、将来の世代に安心して引き継げる社会基盤を実現してまいります。」

AIVALIX株式会社について

AIVALIXは、社会インフラの老朽化や人材不足といった課題に取り組む、東京大学発のAIスタートアップです。上下水道をはじめ、道路、建築物、交通、エネルギーなど、さまざまなインフラ分野で、点検から維持管理、更新までのプロセスを最適化するAIプラットフォームを開発しています。現場の知識と最先端の技術を組み合わせることで、インフラの耐久性を高める仕組みを提供し、「変化に強く、迅速に回復できるしなやかな社会基盤」の実現を目指しています。

株式会社New Space Intelligenceについて

New Space Intelligence(NSI)は、「宇宙から地球の課題を解決する」を掲げ、アジア工科大学院(タイ)と山口大学の研究から生まれた衛星データ解析のスタートアップです。多様な衛星データの中から最適なものを選び、それらを統合・解析して必要な形で提供する自動システム「衛星データパイプライン®」を独自に開発しています。衛星を「写真」としてだけでなく「データ」として扱い、鉄道・道路などのインフラ監視、災害対応、環境モニタリングなど、幅広い分野での活用を進めています。見えない変化を確実に捉え、意思決定をより良いものにする世界を目指し、国内で培った技術力を基に、アジア・アフリカをはじめ世界各地の社会課題へ衛星データの力を届けています。

詳細については、以下の関連リンクをご覧ください。

New Space IntelligenceとAIVALIXがインフラメンテナンス領域における衛星データ活用に向け、パートナーシップを締結

株式会社New Space Intelligence 公式ウェブサイト

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