JAPAN AIとCONOC、建設現場の業務を効率化する2種のAIエージェント「ゲンバフォトAI」「ゲンチョウAI」を提供開始

JAPAN AI株式会社と株式会社CONOCは、建設業向けのAIエージェント「ゲンバフォトAI」と「ゲンチョウAI」の提供を2026年9月1日より開始することを発表しました。この2つのサービスは、JAPAN AIのAI開発基盤「JAPAN AI STUDIO」とCONOCが持つ建設業務の知識を合わせて開発されました。

conoc X JAPAN AI

開発の背景

日本の建設業界は、市場規模が52兆円に上る重要な産業です。しかし、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX白書」によると、建設業におけるDXの導入率は20.7%にとどまっています。また、帝国データバンクの「生成AIの活用状況調査」(2024年8月)では、AI活用率はわずか9.4%という結果が出ています。

建設業界では、就業者の高齢化や人手不足が進んでおり、2024年4月に適用された時間外労働の上限規制も加わり、少ない人数で効率的に業務を進める仕組み作りが大きな課題となっています。

AIを産業で活用するためには、一般的なAIではなく、その業界の業務内容を深く理解した設計が重要です。建設現場では、工事そのものではないにもかかわらず、写真の整理や現地調査の記録といった作業が日々の業務時間を圧迫しています。これらの業務を自動化するには、どの工事の種類をどのように分類するか、現地調査で何を確認すべきかといった、建設業界ならではの知識が不可欠です。

JAPAN AIは、2026年3月31日にCONOCへ出資し、建設業向けAIエージェントの共同開発を始めました。今回提供される2種のAIエージェントは、この共同開発の最初の成果です。

共同開発の内容

この開発では、CONOCが建設業務の専門知識を活かしてAIエージェントの具体的な要件や業務の設計を担当しました。一方、JAPAN AIは、AI開発・運用プラットフォームである「JAPAN AI STUDIO」を提供し、AIエージェントの実装を行いました。

JAPAN AI STUDIOは、AIを活用する組織を作るための次世代プラットフォームです。業務知識を持つ現場の担当者とエンジニアが協力して開発を進めることで、AIを前提とした業務の進め方やビジネスモデルへの変化を実現します。

建設業界の専門知識を持つCONOCと、AI開発の基盤を持つJAPAN AIが役割を分担することで、建設業という特定の産業の業務に深く入り込んだAIエージェントを短い期間で開発することが可能となりました。

提供するAIエージェント

ゲンバフォトAI:現場写真の分類と写真台帳の自動作成

「ゲンバフォトAI」は、建設現場で撮影した写真をアップロードすると、AIが工事の種類、施工前・施工中・施工後といった撮影のタイミング、撮影対象を自動で判断するAIエージェントです。写真に写っている工事黒板の内容も読み取り、判断結果に基づいて写真台帳を作成・出力します。作成された台帳は一覧で管理でき、後から修正することも可能です。

これにより、現場写真の整理や写真台帳の作成にかかる業務の負担を減らすことにつながります。

現場写真アップロード画面

ゲンチョウAI:現地調査の記録作成の支援

「ゲンチョウAI」は、現地調査で録音した音声と手入力の情報をもとに、調査シートの下書きを作成するAIエージェントです。調査項目の中で記録されていない部分をAIが検知して提示することで、確認漏れを防ぐことにつながります。作成された調査シートは、ExcelやPDF形式で出力できます。

このエージェントは、工務店や内装・リフォーム工事を行う事業者を対象に提供が始まり、今後、対応できる業務の範囲を順次拡大していく予定です。

録音・写真添付画面

提供概要

  • 提供開始日: 2026年9月1日(火)

  • 提供主体: 株式会社CONOC

  • 対象: CONOC建設業クラウドを利用している企業のうち、限定された対象から提供を開始し、順次拡大されます。

  • 稼働環境: JAPAN AI STUDIO上で稼働します。CONOC建設業クラウドの画面に設置されたボタンから利用でき、利用にはJAPAN AI STUDIOのアカウント発行が必要です。

※本サービスが作成する分類結果や調査シートは下書きであり、最終的な内容の確認と判断は利用者が行う必要があります。
※作業量の削減や効果は、利用状況や現場の条件によって異なります。

両社代表からのコメント

株式会社CONOC 代表取締役 山口 一氏

株式会社CONOC 代表取締役 山口 一氏

「私自身、20年以上にわたり建設業に携わってきましたが、現場の負担として最後まで残るのは、常に『記録』でした。写真を整理する時間、調査の内容を書き写す時間。どれも工事そのものではないのに、誰かが必ずやらなければならない仕事です。JAPAN AI社との協業により、この最初の2本を予定どおり世に出すことができました。AIが下書きを作り、人は確認だけをする。この形を一つずつ増やしてまいります。」

JAPAN AI株式会社 代表取締役社長 工藤 智昭

JAPAN AI株式会社 代表取締役社長 工藤 智昭

「生成AIは、単に導入するだけでは価値を生みません。業務の中に組み込まれ、現場で使われ、成果につながって初めて、本当の意味でのAI活用になると考えています。建設業は、現場ごとの業務データや長年蓄積された専門知識があり、AIが実務で価値を発揮できる余地が大きい領域です。一方で、人手不足や働き方改革への対応により、業務効率化の推進が急務となっています。今回、建設業務に深い知見を持つCONOC社と、AI開発・運用基盤であるJAPAN AI STUDIOを組み合わせることで、現場写真の整理や現地調査の記録といった、日々の業務負担に直結する領域にAIエージェントを実装することができました。JAPAN AIは今後も、業種ごとの業務知識とAI技術を組み合わせ、各産業の現場で実際に活用されるAIエージェントの社会実装を推進してまいります。」

今後の展望

JAPAN AIは、今後もCONOC建設業クラウドとJAPAN AI STUDIOのシステム連携を続けて行い、AIエージェントが業務データを参照しながら動く環境を整えていきます。また、見積もり、原価、工程、請求といった様々な業務領域に対応するAIエージェントの開発も共同で進めていく予定です。

今回の業種に特化したAIエージェントの開発で得られた知識を活かし、建設業をはじめとする各産業へのAI導入を推進し、日本におけるAI活用のさらなる普及と発展に貢献していく方針です。

株式会社CONOCについて

株式会社CONOCは、2010年3月に設立され、長年建設業に携わってきた経験を活かし、2021年6月より建設業界のDX化を目指すCon-tech事業を展開しています。「建設業界の常識を、ひっくり返す。」を企業理念に掲げ、Construction(建設)とNOCを組み合わせた「CONOC」という社名で事業を展開しています。

JAPAN AI STUDIOについて

JAPAN AI STUDIOは、ソフトウェア開発の未来を創る、次世代のAI開発・運用プラットフォームです。現場の担当者とエンジニアが協力して開発することで、開発コストを削減し、AIを前提とした組織の変化を実現します。

JAPAN AI株式会社について

JAPAN AI株式会社は「AIで持続可能な未来の社会を創る」を目的とし、企業の業務における生成AIの活用を支援しています。AIソリューションの開発・運用を通じて、多様な業界や産業の業務効率化と生産性向上を進めています。

×