HexabaseとInfiniCloudが提携し、企業のAI活用とセキュリティの課題を解決する国産AI基盤を提供
企業のAI活用とセキュリティの悩みを解消
株式会社HexabaseとInfiniCloud株式会社は、企業がAI(人工知能)を使う上での大きな課題である「大切な情報を守りながらAIを活用する」という悩みを解決するため、協力して新しいサービスを提供すると発表しました。

近年、生成AIが急速に普及し、企業が自社の知識やデータを使ってAIエージェントを開発する動きが活発になっています。しかし、多くの企業は、AI開発を進める中で「機密情報や個人情報が外部に漏れてしまうのではないか」という不安を抱えています。特に、海外のクラウドサービスを使う場合には、セキュリティ上のリスクが懸念され、これがAI活用の大きな妨げとなっていました。
例えば、「PwC 生成AIに関する実態調査 2025春」によると、AI開発に取り組む企業の8割以上が「機密情報や個人情報の漏洩」に深刻な懸念を持っていることが明らかになっています。
この「AIを積極的に使いたい」という気持ちと「セキュリティをしっかり確保したい」という相反する課題を解決するために、HexabaseとInfiniCloudは手を組みました。Hexabaseが提供する企業向けのコンテナ(アプリケーションを効率よく動かすための技術)基盤を、InfiniCloudが国内で提供する信頼性の高いクラウドサービス上で動かすことで、機密データを厳重に保護しながらAIエージェントを開発・運用できる安全な環境が実現しました。
「Hexabase.AI」の主な特長

Hexabaseが提供する「Hexabase.AI」は、AIエージェントの開発から運用までを、セキュリティ、使いやすさ、効率の面から強力にサポートするサービスです。企業規模を問わず、AI開発で必要になる複雑なITインフラの準備や管理の負担を減らし、開発者が本来の業務に集中できる環境を提供します。
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海外の法律に影響されない、国産プライベートクラウド
InfiniCloudが国内のデータセンターで運用するクラウドサービスを基盤としているため、データは日本国内で管理されます。これにより、海外のプライバシーに関するルールや政府の管理体制の影響を受けることなく、データを安全に運用できます。 -
機密データを守るAIエージェント専用の安全な環境
コンテナ技術を使うことで、AIアプリケーションに必要なプログラムを素早く準備できます。高いセキュリティが保たれた環境で、機密情報にアクセスするAIエージェントの開発、学習、そしてAIが答えを出すまでの全てのプロセスを安全に進めることが可能です。 -
Kubernetesの運用を全て任せられる
ITインフラの準備から運用、監視までを自動化する仕組みを取り入れています。Kubernetes(コンテナ化されたアプリケーションの展開、スケーリング、管理を自動化するためのシステム)の複雑な運用はHexabaseの専門チームが担当するため、企業はAIモデルやアプリケーションの開発に集中できます。 -
既存の社内システムも活かせるハイブリッドAI環境
企業の既存のデータセンターや社内ネットワークと、安全な専用回線で接続できます。これにより、社内のデータとAIエージェントを安全に連携させ、社内外のシステムを組み合わせたハイブリッドAI環境を簡単に作ることができます。
今後の展望
Hexabaseは「Hexabase.AI」を中心に、AI活用を考えている企業への導入を進めます。InfiniCloudはその基盤となる、信頼性の高い国内クラウド環境を提供し、企業の安全なAI活用を支えていきます。
両社の協力により、将来的には、AIの計算に必要なGPU(画像処理装置)を搭載したサーバーの提供や、AI開発に必要なツールをあらかじめ用意した環境の拡充などを通じて、企業のAIプロジェクトをITインフラからアプリケーションまで、幅広くサポートするプラットフォームへと発展させていく予定です。
両社代表からのコメント
株式会社Hexabase 代表取締役 CEO 岩﨑 英俊 氏

「AIがビジネスの中心となる現代において、素早くAIを開発・運用できるコンテナ技術のしっかりとした基盤は、企業にとって非常に重要です。当社が創業以来培ってきたコンテナ技術の知識を、InfiniCloud様との協力により、日本企業に安全な国産環境として提供できることを大変嬉しく思います。
『Hexabase.AI』を通じて、企業は大切なデータを守りながらAIという強力なツールを手に入れ、新しい技術革新を加速させることができます。多くの企業の製品やサービスをさらに良いものにし、新たな段階へと引き上げるお手伝いができるよう、全力を尽くしてまいります。」
InfiniCloud株式会社 代表取締役CEO 瀧 康史 氏

「AI時代のIT進化は、単なる技術の進歩ではなく、『いかに信頼を築くか』という社会全体の挑戦だと考えています。InfiniCloudは、これまで培ってきた国産技術の力で、企業が自らのデータとシステムを主体的に管理できる環境を作り続けてきました。
Hexabase社の意欲的な挑戦を歓迎し、これを基盤と技術の両面から支えることで、日本のIT産業全体が自立し、持続的に成長していく未来を感じています。InfiniCloudは、国産クラウドの可能性を広げ、日本のデジタル産業が世界に誇れる存在となるよう、これからも努力を続けてまいります。
今回のHexabase社との協力は、次の時代の開発基盤を支える重要な一歩になると確信しています。」
会社概要
【株式会社Hexabase】
所在地:東京都千代田区神田須田町 2-3-12 12KANDA 701
代表者:代表取締役 CEO 岩﨑 英俊
設立:2016 年 1 月
事業:サーバーレスコンテナ運用基盤「Hexabase」、AIドリブン開発ツール、新規事業開発支援
URL:https://www.hexabase.com/
【InfiniCloud株式会社】
所在地:静岡県静岡市葵区呉服町2-1-5 五風来館5F
代表者:代表取締役CEO 瀧 康史
設立:2001年11月
事業:クラウドインフラ賃貸事業、ホスティング事業、クラウドソフトウェア制作事業、ネットワーク・サーバーインフラの構築・保守管理業務
URL:https://infinicloud.com/


