DX wpmaster 2025年12月11日 0 コメント

BLUEISH、エンタープライズ向けマルチクラウドAIエージェントをOracle Cloud Infrastructureに対応させ本番稼働を開始

BLUEISH AgentsがOracle Cloud Infrastructureに対応

株式会社BLUEISHは、企業向けのAIエージェントプラットフォーム「BLUEISH Agents」が、Oracle Cloud Infrastructure（OCI）に正式に対応し、すでに実際の業務で使われ始めたことを発表しました。

これにより、「BLUEISH Agents」は、これまで対応していたGoogle Cloud、AWS、Microsoft Azureに加え、OCIも利用できるようになり、主要な4つのクラウドサービスを組み合わせて使える、企業向けのAI基盤としてさらに進化しました。

Oracle AI Databaseを活用し、安全で効率的なデータ利用を実現

BLUEISHは、企業が持つ大切なデータを安全に、そしてAIを使って効率よく活用するために、OCIの「Oracle AI Database」をAIデータ基盤として採用しました。Oracle AI Databaseは、多くの企業で利用されているデータベースであり、これを活用することで、企業はすでに持っているビジネスデータをAIエージェントからすぐに利用でき、迅速に成果を出すことが期待できます。

また、文書や画像といった様々な種類のデータをAIで扱える最新のデータベース技術と、複数のクラウドサービスをまたいでデータを使えるマルチクラウド機能により、あらゆるデータをAIエージェントでスムーズに活用できるようになります。

技術構成イメージ

「BLUEISH Agents」の技術的な仕組みは、Oracle Cloud Infrastructureをデータの中心に置き、Google Cloud Platform、Microsoft Azure、Amazon Web Servicesといった他のクラウドサービスと連携することで成り立っています。これにより、企業は様々なクラウドサービスに分散しているデータをAIエージェントで一元的に扱えるようになります。

Oracleテクノロジーを最大限活用したAIエージェント開発の戦略と強み

「BLUEISH Agents」を開発する上で特に大切にされているのは、優れたAIモデルを使いながら、企業が持つ独自のデータをどれだけ安全に、そして効果的に活用できるかという点です。新しい技術を積極的に取り入れ、常に時代の最先端を行く製品を提供し続けることも重要だと考えられています。

この目標を達成するためには、データの加工や修正をできるだけ少なくし、データを柔軟に、簡単に扱える環境が必要でした。具体的には、以下の3つの課題を解決することが急務でした。

データの効率的な検索と活用
例えば、お客様からの問い合わせに対応する業務では、「過去に同じような事例があったか」を素早く正確に調べる必要があります。これは、問い合わせの履歴やExcelにまとめた質問と回答の集まりなど、複数のデータ源をまとめて検索することが求められます。もし独自にシステムを作ろうとすると、プログラムが複雑になり、高い検索精度を出すのが難しくなります。

この課題を解決するために、Oracle AI Databaseの「Converged Database（様々な種類のデータを一つの場所で扱えるデータベース）」という特徴や、「Oracle AI Vector Search（AIを使った高度な検索機能）」を活用しています。これにより、整理されたデータも、整理されていないデータも、両方から関連する情報を統合的に、そして高い精度で見つけ出すことができるようになります。これにより、過去の事例を活用したり、新しい発見をしたりする作業が大幅に効率化されます。
セキュアで信頼できるマルチクラウド基盤
複数のクラウドサービスを使う場合、クラウド間でデータをやり取りする費用が問題になることがあります。しかし、OCIは10テラバイト（TB）までのデータ転送を無料で提供しています。多くの企業が大切なデータをOracle AI Databaseで管理しているため、セキュリティ、データの利用しやすさ、そして他のシステムとの互換性を保ちながら、最も良い費用でAIの開発や運用を進めることが可能になります。
AI Databaseを活用した実効性の高い開発スピードの向上
生成AIを使う際、データの準備や変換、ロジック（仕組み）の構築をアプリケーション側で行うと、作業が複雑になりがちです。その結果、システムの維持管理に手間がかかり、最終的にはAIの精度が下がってしまうという問題がありました。この解決策として、Oracle AI Databaseの「JSON Relational Duality（データの形を柔軟に変えられる機能）」や「Select AI（AIを使ったデータ選択機能）」を使うことで、複雑なデータの準備作業を最小限に抑え、直感的にデータを探索・活用できるようになります。これにより、開発の効率が大きく向上します。

BLUEISHは、AIエージェントの進化と開発スピードの向上にはこれらの機能が欠かせないと判断し、すでに実際のシステムに組み込んでいます。今後も、さらに便利な機能を追加していく予定です。

今後の展開

BLUEISHは、「人とAIが役割を分担し、協力して新しい価値を生み出す“Agent Native”モデル」の実現を目標に掲げています。この目標のためには、データを安全に扱えること、そして誰でも簡単にAIを使える仕組みを維持し、発展させることが不可欠です。Oracleの最新技術を最大限に活用し、企業が安心して使える「共創基盤」を安定的に提供し続けていく方針です。

今後の展開として、以下の点が挙げられています。

企業のRAG（検索拡張生成）導入支援とAIワークフローによる業務自動化の推進
複数のクラウド連携を前提とした、業界ごとのAIエージェントテンプレートの提供（製造業、金融業、公共分野など）
企業内のサーバー環境や、クラウドと社内サーバーを組み合わせた構成にも対応したAIエージェント基盤の提供
高いセキュリティが求められる、外部と接続しないネットワーク環境でのAIエージェント基盤の検証と実装

「BLUEISH Agents」について

「BLUEISH Agents」は、企業が自分たちの業務プロセスをAIエージェントに任せ、データに基づいて意思決定ができるようにするための、法人向けのAIエージェント基盤です。

企業の中に蓄積された文書、知識、業務の記録、データベースのデータなどを安全に連携させ、RAGという技術やワークフロー（業務の流れ）の実行を通じて、AIエージェントが業務の一部を自動的に担います。

「BLUEISH Agents」の大きな特徴は、データを中心にAIエージェントを設計している点です。企業のデータ構造に合わせてエージェントを作り、業務の流れをワークフローとして一つにまとめます。また、マーケットプレイスから必要な機能を選ぶことで、プログラミングの知識がない人でも高度なAI活用が可能になります。

AIエージェントが自動で動くために必要な「データの取得・整理・検索・実行」という一連のプロセスを一体化することで、企業を「Agent Native」な組織へと変革させ、業務の生産性や競争力を根本から強化することを目指しています。