BLUEISH、「Oracle Cloud Infrastructure」をAIデータ基盤に追加し、企業向けマルチクラウドAIエージェントが稼働開始

BLUEISH、「Oracle Cloud Infrastructure」をAIデータ基盤に追加し、企業向けマルチクラウドAIエージェントが稼働開始

株式会社BLUEISHは、エンタープライズ向けAIエージェントプラットフォーム「BLUEISH Agents」が、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)に正式に対応し、本番稼働を開始したことを発表しました。これに伴い、BLUEISHはEnhanced Oracle PartnerNetwork Level 1にも参加し、OCIの再販も行います。

これまでBLUEISHは、Google Cloud、AWS、Microsoft Azureといった複数のクラウドを活用し、高度なAIエージェントを提供してきました。今回、企業のデータをより安全に、そしてAIで効率的に利用するため、OCIのOracle AI DatabaseをAIデータ基盤として採用しました。

多くの企業で利用されているOracle AI Databaseをデータ基盤とすることで、既存のビジネスデータをAIエージェントから活用できるようになり、迅速な効果が期待できます。また、文書や画像などあらゆるデータをAIで扱える最新のデータベース技術とマルチクラウド機能により、複数のクラウドにまたがるデータをスムーズにAIエージェントで活用できるようになります。

これにより、「BLUEISH Agents」は主要4大クラウドを横断して動作する、企業向けのマルチクラウド基盤として進化しました。企業固有の知識を安全に活用し、現場の業務に直接役立つ高精度な意思決定を支援します。この対応はすでに本番環境で稼働しており、企業利用に必要な可用性とセキュリティ要件を満たした構成で提供されています。

BLUEISHとORACLEのパートナーシップにより、エンタープライズ向けのマルチクラウドAIエージェントが本格的に稼働を開始したことを示す画像です。

技術構成イメージ

マルチクラウドAIアーキテクチャ図。Oracle Cloud Infrastructureをデータ層に、Google Cloud Platform、Microsoft Azure、AWSをAI処理・アプリケーション層に配置し、相互接続で連携。Vertex AIや生成AI評価などのサービスが利用されている。

Oracleテクノロジーを最大限活用したAIエージェント開発の戦略・強み

「BLUEISH Agents」が特に重視しているのは、優れたAIモデルを活用しながら、企業固有のデータをいかに安全に取り扱い、活用するかという点です。また、新しいテクノロジーを積極的に取り入れ、時代の先端を行く製品リリースを継続することも重要な要素と捉えられています。生成AI分野のプラットフォーム開発・提供においてこれらを満たすには、プログラムによるデータ加工や修正ロジックを最小限に抑え、柔軟かつ容易にデータを扱える環境が不可欠であり、以下の3点における課題解決が急務でした。

  1. データの効率的な検索と活用
    例えば、サポート業務では「過去に類似したケースがあったか」を迅速かつ正確に調べる必要があります。問い合わせ履歴やExcelのQA集など、複数のデータを横断して検索することが求められますが、独自にシステムを構築するとプログラムが複雑になり、高い検索精度を達成するのが難しくなります。

    解決策: Oracle AI DatabaseのConverged Databaseの特長やOracle AI Vector Searchを活用することで、構造化データと非構造化データの両方で関連性を統合的かつ高精度に判別できるようになります。これにより、過去の事例活用や新しい知識の発見が大幅に効率化されます。

  2. セキュアで信頼できるマルチクラウド基盤
    マルチクラウド環境では、クラウド間のデータ転送コストが課題となることがありますが、OCIは10TBまで無償で提供しています。多くのエンタープライズ企業にとって重要な構造化データはOracle AI Database上で管理・活用されており、セキュリティ、可用性、互換性を満たしつつ、最適なコストでAIの開発・運用が可能です。

  3. AI Databaseを活用した実効性の高い開発スピードの向上
    生成AIの活用においては、データの前処理や変換、ロジック構築をアプリケーション側で行うと対応が複雑化し、そのメンテナンスに追われることで結果的に精度が低下するという構造的な課題がありました。この解決策として、Oracle AI DatabaseのJSON Relational DualityやSelect AIなどを用いることで、複雑な前処理を最小限に抑え、直感的なデータ探索・活用を実現でき、大幅な生産性向上につながります。

BLUEISHは、AIエージェントの進化と開発スピードの向上にはこれらの機能が不可欠であると判断し、すでに本番環境へ実装しています。今後も機能拡張を順次追加していく予定です。

今後の展開

BLUEISHは、「人とAIが役割を分担し共創する“Agent Native”モデル」の実現をミッションに掲げています。安心・安全なデータ取り扱いと、誰でも簡単に使える仕組みの維持・発展が不可欠です。Oracleの最新テクノロジーを徹底活用し、企業用途にも十分耐えうる”共創基盤”を安定的に提供し続けます。

展開予定:

  • 企業のRAG導入支援とAIワークフローによる業務自動化の推進

  • マルチクラウド連携を前提とした業界別AIエージェントテンプレートの提供(製造・金融・公共領域など)

  • オンプレミス環境やハイブリッド構成にも対応したAIエージェント基盤の提供

  • 高セキュリティ要件を満たす閉域接続型アーキテクチャの検証・実装

関係者のコメント

株式会社BLUEISH 代表取締役 CEO兼CTO 為藤 アキラ氏:

「このたび、『BLUEISH Agents』がOracle Cloud Infrastructureに正式対応し、本番稼働を開始できたことを大変嬉しく思います。AI活用においては、企業固有のデータを安全に扱える基盤が不可欠です。Oracle AI Databaseの高度なアーキテクチャとAI Vector Searchを活用することで、より確かな根拠に基づくAIエージェント運用が可能になりました。BLUEISHは今後も『Agent Native』な未来の実現に取り組んでまいります。」

日本オラクル株式会社 専務執行役員 クラウド事業統括 竹爪 慎治氏:

「このたび、BLUEISH様が『BLUEISH Agents』に Oracle Cloud InfrastructureおよびOracle AI Databaseを採用されたことを心より歓迎いたします。BLUEISH様のAIエージェント基盤技術とOracleの堅牢なデータ基盤が連携することで、マルチクラウド環境においても業務に直結する高精度なAI活用が可能になります。『BLUEISH Agents』は、エンタープライズ企業の業務効率化と生産性向上に大きく貢献すると確信しております。」

「BLUEISH Agents」について

「BLUEISH AGENTS」の法人向けAIエージェントプラットフォームを紹介する画像。ラップトップ画面に営業ワークフローが表示され、AIが各業務を支援する様子を表現。マーケティング、コンシェルジュ、HRなど多様なエージェントが存在し、現場へのAI定着による業務効率化を提案しています。

「BLUEISH Agents」は、企業が自社の業務プロセスをAIエージェント化し、データに基づいた意思決定を実行できる法人向けAIエージェントプラットフォームです。企業内に蓄積された文書、知識、業務ログ、データベースデータを安全に連携し、RAG(Retrieval-Augmented Generation)やワークフロー実行を通じて、AIエージェントが業務の一部を自律的に担います。

「BLUEISH Agents」の大きな特徴は、データを中心としたAIエージェント設計にあります。企業のデータ構造に合わせてエージェントを生成し、業務の流れをワークフローとして統合。マーケットプレイスから必要な機能を組み合わせることで、専門的な知識がないエンジニア以外の方でも高度なAI活用が可能です。

AIエージェントの自律実行に必要な「データ取得・整理・検索・実行」のプロセスを一体化することで、企業を“Agent Native”な組織へと変革し、生産性と競争力を根本から強化します。

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