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NTTドコモビジネスとダッソー・システムズ、IOWN®を活用し3DCADの遠隔共同作業に世界で初めて成功

離れた場所での3D設計がスムーズに！ NTTドコモビジネスとダッソー・システムズが世界初の成功

NTTドコモビジネス株式会社とダッソー・システムズは、光を使った新しいネットワーク技術「IOWN® APN」を活用し、世界で初めて3DCADを使った遠隔地での共同作業に成功しました。この成果は、遠く離れた場所でも、まるで同じ部屋にいるかのようにスムーズに3D設計や製品開発を進められるようになる、大きな一歩となります。

なぜ遠隔での3D設計は難しかったのか

最近の製品開発では、3DCADというツールを使って立体的な設計を行うことが当たり前になっています。しかし、この3Dデータはとても大きく（数GBから数十GB）、従来のインターネットでは、遠く離れた人たちとリアルタイムで共有しながら一緒に作業することが難しいという課題がありました。

そのため、設計の確認（レビュー）をする際には、関係者が一堂に会する必要があり、移動にかかる時間や費用が大きな負担となっていました。

このような課題を解決するため、NTTドコモビジネスとダッソー・システムズは、IOWN® APNという光ネットワーク技術を使うことで、大きなデータを圧縮せずに、しかもほとんど遅れなく送れることを確認しました。これにより、タイムラグなしで3Dモデルや製品の情報を共有し、共同で作業できるようになったのです。

どのように実証が行われたのか

今回の実証では、東京都武蔵野市にある東京第11データセンターと、大手町プレイスにあるOPEN HUB Parkという場所をIOWN® APNでつなぎました。

武蔵野市側には、3DCADのデータを管理するサーバーと、3DEXPERIENCEプラットフォームという設計ソフトのデスクトップ版を設置。大手町プレイス側には、作業を行う人のパソコンとして同じく3DEXPERIENCEプラットフォームのデスクトップ版を置きました。

この離れた2つの場所で、数千から数万個もの大きな3DCADデータや製品の情報をサーバーからダウンロードし、共同で編集する作業を試しました。

その結果、驚くべきことに、同じ建物内でサーバーとパソコンをつないで作業した場合とほとんど同じ速さで共同作業ができることを確認しました。さらに、3DCADで編集できる状態になるまでの時間を測ると、従来のインターネットを使った場合と比べて、最大で約500％も速くなったことが分かりました。これにより、ほとんど遅れを感じることなく、リアルタイムでスムーズに共同作業ができるようになったのです。

IOWNオールフォトニクス・ネットワーク（APN）を活用した3DCAD遠隔共同作業のシステム構成図

各社の役割

今回の実証において、NTTドコモビジネスとダッソー・システムズはそれぞれ以下の役割を担いました。

  • NTTドコモビジネス

    • 実証に必要なインフラ環境の構築と提供

    • 東京第11データセンターとOPEN HUB Park間をつなぐIOWN® APNの提供

    • 3DCADサーバーとクライアント機能を担うハードウェア機器の提供

  • ダッソー・システムズ

    • 3DCADを活用した3D設計環境の構築

    • 3DCADサーバーおよびクライアントのソフトウェア構築と設定

    • IOWN® APNの接続におけるソフトウェアの有効性検証

今後の展望

今回の成功は、まず製造業界での活用が期待されますが、今後はIOWN®構想が実現する様々な分野へ応用を広げ、産業全体の技術革新を進めていく予定です。

ダッソー・システムズは、IOWN Global Forumという団体に正式に加わることで、IOWN®技術を様々な分野で活用するための協力体制をさらに強化します。

両社は、IOWN® APNを含むAI-Centric ICTプラットフォームを活用し、データセンターやIoT（モノのインターネット）、GPU（画像処理装置）などを組み合わせることで、あらゆる産業の「デジタルツイン」（現実世界を仮想空間に再現する技術）を支える基盤の実現を目指しています。

用語解説

  • IOWN® APN: NTTが提唱する次世代のネットワーク技術で、従来の電気信号ではなく光信号を使うことで、超低遅延で高速な通信を実現します。「IOWN®」はNTT株式会社の商標または登録商標です。

  • 3DEXPERIENCEプラットフォーム: ダッソー・システムズが提供する総合的なビジネスプラットフォームで、3D設計、シミュレーション、共同作業、製品のライフサイクル管理（PLM）アプリケーションなどを統合し、企業のあらゆる部門を支援するソリューションです。

  • PLM: 製品の企画段階から設計、製造、保守運用に至るまで、製品の全ライフサイクルを通じて情報を一元管理し、効率的に運用するための手法やシステムのことです。

  • AI-Centric ICTプラットフォーム構想: 企業がAIを活用して、生産性の抜本的改善、競争力強化やビジネスモデル変革を進めるAI時代に最適な次世代ICTプラットフォーム構想です。詳細は以下のニュースリリースをご確認ください。

  • 4Dデジタル基盤®: NTTが提唱する技術で、人やモノの位置や時間に関するリアルタイムデータを統合し、都市インフラや交通など様々な分野での最適化や未来予測を可能にするプラットフォームです。「4Dデジタル基盤®」はNTT株式会社の登録商標です。

  • 3DCAD: 三次元空間で設計を行うためのコンピューター支援設計ツールで、立体的なモデルを作成し、視覚化や検証、図面化などを効率的に行うことができます。

  • OPEN HUB Park: NTTドコモビジネスが運営する共創ワークプレイスです。先端テクノロジー体験環境や情報発信スタジオを備え、事業共創に向けたコミュニケーションを支援します。一般公開は行っておらず、招待制にて運営しています。詳細は以下をご確認ください。

  • IOWN Global Forum: NTT、インテル、ソニーが共同で立ち上げた国際的な業界団体で、IOWN構想の実現をめざし、光を活用した次世代ネットワーク技術の開発やユースケースの議論を行うためのフォーラムです。

  • 3D UNIV+RSES（3Dユニバース）: ダッソー・システムズが今年2月に発表した、3DEXPERIENCEプラットフォーム上で複数の生成AIを統合しIPライフサイクル管理を実現する新たな体制です。

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