NTTドコモビジネスとアプトポッドが資本業務提携、自動運転支援プラットフォームを共同開発へ

NTTドコモビジネスとアプトポッドが自動運転社会の実現に向けて協力

NTTドコモビジネス株式会社(以下、NTTドコモビジネス)と株式会社アプトポッド(以下、アプトポッド)は、2025年10月31日に資本業務提携に関する契約を結びました。この提携により、アプトポッドはNTTドコモビジネスを引受先とする第三者割当増資を実施しています。

提携の背景と目的

近年、地域の公共交通機関で人手が足りなくなるなど、自動運転の必要性が高まっています。国も自動運転の実用化に向けてさまざまな実験を進めており、車とネットワークがリアルタイムでつながる「V2N通信」(車両がネットワークを介して外部とつながる技術)という技術が非常に重要視されています。

このような状況の中、NTTドコモビジネスとアプトポッドは、V2N通信を使った自動運転支援プラットフォームを一緒に開発することにしました。NTTドコモビジネスが持つ安定した通信サービスやNTTの「IOWN®」(光関連技術と情報処理技術を使ったネットワーク・情報処理の土台)技術と、アプトポッドが独自に開発した通信ルール「iSCP」を活用したIoT(モノのインターネット)プラットフォームの技術を組み合わせることで、安心・安全な自動運転社会の実現に貢献することを目指します。

提携の具体的な取り組み

1. 自動運転支援プラットフォームの共同開発・提供

両社はこれまでも自動運転やIoT分野で協力してきましたが、今回の提携でさらにその関係を深めます。NTTドコモビジネスが提供する「通信安定化ソリューション」は、すでにアプトポッドの「intdash」(リアルタイムでデータを送るためのシステム)を使っています。このソリューションを土台として、データ処理の能力を高め、道路の設備と車が情報をやり取りする「路車協調」や、遠くから車の様子を見守る「遠隔監視」など、さまざまな機能を持つ自動運転支援プラットフォームを共同で開発し、提供していきます。

さらに、複数の自動運転車両をまとめて管理する仕組みや、ロボットやドローンといった車以外の機器を遠くから操作できるような、より幅広いプラットフォームの構築も視野に入れています。

2. 両社の強みを活かした市場展開

NTTドコモビジネスとアプトポッドは、それぞれの会社が持つ経営資源や技術、ノウハウを共有し、お客様の課題解決に向けた共同提案を積極的に行っていきます。これにより、より多くの場所でV2N通信を活用した自動運転が実用化されることを目指します。

各社のコメント

NTTドコモビジネス株式会社の執行役員である福田 亜希子氏は、「アプトポッドとの提携により、当社の安定した通信環境とアプトポッドの高いデータ伝送技術を組み合わせることで、自動運転支援を含む様々なモビリティプラットフォームの構築を目指します。これにより、自動車やロボットなどの動くIoTデバイスが安心・安全につながる社会を実現し、スマートモビリティの加速に貢献していきます」と述べています。

株式会社アプトポッドの代表取締役社長CEOである坂元 淳一氏は、「当社は、自動車、建設、ロボティクスといった産業分野で、未来のプロジェクトに欠かせない大量の時系列データをスムーズにやり取りする技術を開発しており、多くの企業で採用されています。NTTドコモビジネスとの協力により、NTTグループの技術と当社の技術を組み合わせることで、次の世代の社会データ基盤の実現に向けて進んでいけることを大変嬉しく思います」とコメントしています。

NTTドコモビジネス株式会社の概要

NTTドコモビジネス株式会社は、法人のお客様向けの総合ICT事業を展開しています。企業と地域が持続的に成長できる社会を支える「産業・地域DX(デジタルトランスフォーメーション)のプラットフォーマー」として、新たな価値を生み出し、豊かな社会の実現を目指しています。

NTTドコモビジネス

詳細は以下のリンクから確認できます。

株式会社アプトポッドの概要

株式会社アプトポッドは、自動車、建設、ロボティクスなどの産業分野で、インターネットを介してリアルタイムでスムーズなアプリケーション環境を実現するデータストリーミング技術を自社開発しています。主力製品である大容量データ伝送ミドルウェア「intdash」は、2018年のリリース以来、約150社、300以上の企業プロジェクトで採用され、遠隔操作や自動化に貢献しています。

詳細は以下のリンクから確認できます。

用語解説

  • IOWN®: スマートな社会を作るために、光関連技術と情報処理技術を活用したネットワークや情報処理の土台となる技術です。NTT株式会社の商標または登録商標です。

  • iSCP: 「intdash Stream Control Protocol」の略で、アプトポッドが安定・効率的なリアルタイムデータ伝送のために作った、特許取得済みの独自の通信ルールです。

  • V2N(Vehicle to Network)通信: 車両がネットワークを通してクラウドや様々な外部サービスとつながり、リアルタイムで情報をやり取りできるようにする技術です。

  • intdash: アプトポッドが提供する、リアルタイムでデータを送るためのシステムです。

  • センターコンピューティングリソース: 車などのデバイスが通信するサーバー上で、計算や処理を行うための力のことです。

  • 路車協調: 道路にあるインフラ(信号機やセンサーなど)と車両が通信し、情報を交換することで、安全でスムーズな交通を実現する仕組みです。

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