ナウキャスト、三菱地所のデータ分析基盤「SoDA」に生成AI開発環境を構築

株式会社ナウキャストは、三菱地所株式会社が持つ全社データ分析基盤「SoDA」の上に、生成AIを使った安全なアプリケーション開発環境を作り上げたことを発表しました。この新しい環境は、Google Cloudの「Cloud Workstations」とWebアプリケーションフレームワークの「Streamlit」を組み合わせて作られています。
三菱地所の社員は、自分のパソコンにデータを持ち出すことなく、インターネットブラウザだけで生成AIの助けを借りながら、データ分析のアプリを素早く開発できるようになります。
背景:データ活用の課題と新しいニーズ
不動産やまちづくりの分野では、デジタル技術を使った変革(DX)が進んでいます。三菱地所では、データをグラフなどで見やすくした「ダッシュボード」を使って、物事を決めるのに役立てていました。しかし、生成AIのような技術を使って、もっと対話的にデータを分析し、意思決定に役立てたいという声が高まっていました。
これまでのダッシュボード開発は、データの加工などに時間がかかり、事業の改善やデータ活用のレベルアップに十分な時間を割くことが難しいという課題がありました。また、社員がそれぞれのパソコンで生成AIなどを使うための開発環境を整えるには、専門的な知識が必要なうえ、情報セキュリティの面でも心配がありました。
これらの課題を解決するため、ナウキャストは、三菱地所のデータ基盤である「SoDA」(Google Cloudを基盤としている)の上に、ブラウザだけで使える安全な開発環境を構築しました。この環境は、生成AIがプログラミングを手伝ってくれる機能があり、分析をする人が自分で環境を準備しなくても、データ分析アプリを素早く社内で公開できるようになっています。
構築された環境の主な特長
1. 安全で管理された開発の仕組み
Google Cloudの「Cloud Workstations」を使うことで、開発する人のパソコンに左右されない、ブラウザで完結する開発環境が提供されます。プログラムの元になるコードやデータはクラウド上で管理されるため、社員のパソコンにデータを持ち出す必要がありません。また、公開されたアプリは「Identity-Aware Proxy(IAP)認証」という方法でアクセスが管理されており、必要な社員だけが安全に使えるようになっています。
2. 生成AIによる開発の支援
この開発環境には、Googleの「Gemini CLI」とAnthropicの「Claude Code」が標準で使えるように組み込まれています。「Gemini」や「Claude」のAIモデルは、「SoDA」の「Vertex AI」というサービスを通じて提供されるため、利用者は面倒な設定をしなくても、すぐにAIによるプログラミングの支援を受けることができます。
さらに、作られるアプリ自体に生成AIの機能を簡単に組み込むことも可能です。これにより、高度なプログラミングの知識がない社員でも、普段の言葉で「こうしたい」と伝えるだけで、分析アプリを作れるようになります。
3. アプリ公開の自動化と管理の仕組み
Webアプリを作るための「Streamlit」というフレームワークを採用しています。これにより、開発したアプリを、システムの専門知識がなくても、簡単な指示一つで社内向けのWebアプリとして安全に公開できます。公開時には、セキュリティの弱点がないかを確認するスキャンや、コードのチェックが自動で行われます。
また、生成AIの利用量(トークン数)やクラウドの利用にかかる費用を把握する仕組みも作られており、社員ごとのAI利用コストの確認や、使いすぎの警告など、しっかりとした管理ができる環境が提供されています。
今後の展望
ナウキャストはこれからも、安全なシステム作りと生成AIの仕事への導入を通じて、三菱地所のデータ活用方法を、AIを前提としたものに作り変える支援を続けていくとのことです。
参考情報
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株式会社ナウキャスト公式サイト:https://nowcast.co.jp/


