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ドローンの安全運航をAIがサポート 大分県日田市で実証実験に成功

ドローンの安全運航をAIがサポート 大分県日田市で実証実験に成功

KDDIスマートドローン株式会社、株式会社ノーベル、株式会社ARISE analytics、大分県、そして日田市は、2025年12月1日から4日にかけて、ドローンの安全な運航を支える新しい技術の実証実験を大分県日田市で行い、成功しました。この実証実験では、ドローンに搭載されたAI（人工知能）が、飛行ルートの下にいる人や、着陸する場所に障害物がないかをリアルタイムで確認し、安全な飛行を助けることができるかを確かめました。

この取り組みは、総務省の「地域社会DX推進パッケージ事業(AI検証タイプ)」に選ばれて実施されたものです。

飛行ルート下の人物を検知

実証実験の背景

現在のドローン飛行では、特にオペレーターが直接ドローンを目視できない「目視外飛行」の場合、カメラの映像を人が見て安全を確認しています。しかし、ドローンがもっと多くの場所で使われるようになるためには、次のような課題を解決する必要がありました。

  • 安全性の向上: 人が監視することで起こりうるミスをなくし、さらに安全にすること。

  • 手間と費用の削減: 監視作業を自動化し、かかる人手や費用を減らすこと。

  • 通信の効率化: ドローンが増えても通信が混雑しないように、データを効率よく送ること。

これらの課題を解決するため、ドローンのカメラ映像から、地上にある危険（人物や障害物）をドローン自身が判断できる「エッジAIシステム」が開発されました。「エッジAI」とは、ドローンにAIを直接搭載し、データ処理を行う技術です。これにより、通信の遅れを防ぎ、すぐに飛行をサポートできるほか、クラウドへの通信量も大幅に減らすことができます。

実証実験の場所には、2017年の九州北部豪雨で大きな被害を受けた大分県日田市小野地区が選ばれました。これは、災害が起きたときに、ドローンが素早く状況を確認するシナリオを想定したものです。
平成29年九州北部豪雨の被害については、以下のリンクで詳細を確認できます。
https://www.city.hita.oita.jp/material/files/group/4/h28gouu_2.pdf

実証実験の概要

この実証実験は、2025年12月1日から12月4日にかけて、大分県日田市小野地区で、ドローン「Matrice 350 RTK」を使って行われました。エッジAIシステムを活用し、以下の2つのリスク検知と、ドローンを操縦するオペレーターのサポートができるかを確認しました。

  1. 第三者の検知と回避: ドローンが飛んでいる途中で、一般道路を歩いている人をAIが発見すると、ドローンは自動で一時停止し、オペレーターに知らせます。人が通り過ぎたことを確認してから、ドローンは再び飛行を始めます。
  2. 着陸地点の安全性確認: ドローンが着陸しようとする場所にある障害物をAIが発見すると、ドローンは一時停止し、オペレーターに知らせます。オペレーターは、その情報をもとに、別の安全な場所へ着陸させる判断ができます。

これらの検証により、エッジAIシステムがドローンの運航をサポートし、さらに安全性を高め、オペレーターの負担を減らし、少ない人数でドローンを飛ばすことにも役立つことがわかりました。

着陸地点の障害物検知

実証実験の概要図

各社の役割

この実証実験は、次の5者がそれぞれの役割を分担して協力することで実現しました。

今後の展望

今回の実証実験で得られた成果をもとに、5者はエッジAIの検知精度をさらに向上させていく予定です。将来的には、普段のインフラ点検や物の運搬、災害が起きたときの対応など、さまざまな場面でドローンが安全かつ効率的に使えるようになることを目指します。これにより、地域の課題を解決し、ドローンが社会に広く役立つように貢献していくことでしょう。

総務省 地域社会DX推進パッケージ事業（AI検証タイプ）実証事業概要
https://pubpjt.mri.co.jp/pjt_related/rsdx_ai_comm/f6rq940000000233-att/20250709rsdx_ai_comm_outline1.pdf

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