岡山県鏡野町と福田農機株式会社が災害時ドローン支援に関する協定を締結
岡山県苫田郡鏡野町と、農業機械・ドローン事業を手がける福田農機株式会社は、2025年12月15日に「災害時における無人航空機による活動支援に関する協定」を結びました。この協定は、地震や風水害などの災害が起きた際に、ドローンを使って情報を集めたり、支援活動を行ったりするためのものです。

協定締結の背景と目的
鏡野町は、広い面積を持ち、山が多い地域です。そのため、大きな災害が起きると、土砂崩れで道が閉ざされたり、被災状況を把握するのが難しくなったりする心配がありました。一方、福田農機株式会社は、最新のドローンや高い操縦技術を持つ専門家がいます。同社が持つ農業用ドローンなどの技術を、災害支援に最大限に役立てたいと考えていました。
この協定によって、災害が起きたときに、民間の会社が持つ素早い対応力と専門的な技術を町の防災の仕組みに取り入れることができます。これにより、災害の状況を素早く正確に知り、町民の安全を守り、被害をできるだけ小さくすることを目指します。
協定による主な支援内容
災害が発生したり、発生する恐れがある場合に、鏡野町と福田農機株式会社が協力してスムーズに災害に対応します。
主な支援内容は以下の通りです。
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鏡野町内の被災地などで、ドローンを使った調査、情報収集、物資の運搬を行います。
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人が入りにくい被災現場を空から調査したり、赤外線カメラを搭載したドローンで、行方不明の人を探す手助けをしたりします。
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建物などの被害状況を確認したり、公共の施設や避難経路が安全かどうかを空から確認したり、薬や緊急に必要な物資を運んだりします。
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支援活動のために、ドローンの操縦士を派遣したり、ドローン本体を提供したり、必要な手続きや他の機関との調整を行ったりします。
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支援活動で得られた映像などのデータを提供し、日頃から情報を共有したり、様々な訓練に参加したりするなど、防災について積極的に協力し合います。
ドローンによる物資搬送のデモンストレーション
協定を結んだ同じ日に、鏡野町役場の敷地内で、ドローンが物資を運ぶデモンストレーションが行われました。

このとき使われたのは、農業用ドローン「DJI AGRAS T70P」です。このドローンは、専用のリフティングキットを取り付けることで、最大で65kgまでの物資を運ぶことができます。デモンストレーションでは、テントや毛布、2リットルのペットボトル水12本を運びました。
締結式でのコメント
鏡野町長 瀬島栄史氏
「ドローンは『空からの目』として、災害が起きたばかりの時の対応を劇的に速くしてくれます。農業の分野で実績のある福田農機様との協力は、町民にとって大きな安心材料となります。」
福田農機株式会社 代表取締役 福田順也氏
「地域に根ざした会社として、私たちが持つ技術を町の安全に役立てられることを誇りに思います。万が一の時にも、すぐに動ける体制を整えてまいります。」
福田農機株式会社について
福田農機株式会社(ファームスカイテクノロジーズ)は、ドローンの取り扱いについて10年以上の実績があり、DJIが推奨する修理センターとして、毎年400台以上の大型ドローンの整備を行っています。輸送用ドローンのシステム開発も行っており、散布と輸送の両方ができるドローンの提案も可能です。会社の主な事業は農業機械や農薬の販売であるため、専門的な知識をもって「ドローン×スマート農業」に対する具体的な提案を心がけています。
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