株式会社アップグレード 市村健太氏が「IF Con Tokyo 2025」で講演、AI活用の鍵「コンテキストエンジニアリング」を解説

AI技術の進化が加速する中、株式会社アップグレードの代表取締役である市村健太氏が、2025年10月24日に開催されたAIカンファレンス「IF Con Tokyo 2025」に登壇しました。市村氏は「Difyで学ぶコンテキストエンジニアリング」というテーマで講演し、生成AIを実際の業務で活用するための重要な考え方を説明しました。

講演中の市村健太氏

「IF Con Tokyo 2025」について

「IF Con Tokyo 2025」は、Agentic AI開発プラットフォーム「Dify」を開発する株式会社LangGeniusが主催したAIカンファレンスです。このイベントでは、AIが社会や産業にどのような新しい価値をもたらすかを探り、AIをビジネスや社会に実際に役立てるための具体的な知識が共有されました。AIによる事業の変革を目指す経営者や、AIを自社で開発・導入する担当者など、さまざまな分野の参加者が集まりました。

AIの活用格差と「コンテキストエンジニアリング」の重要性

生成AIが急速に進化する一方で、企業の間ではAIを試しに使う段階(PoC)で終わってしまう企業と、AIを業務に組み込んで成果を出している企業との間で「AIの活用格差」が生まれています。市村氏は、この格差を乗り越え、AIを本格的に導入して活用するための鍵となるのが「コンテキストエンジニアリング」であると説明しました。

AI活用格差の図

AIの性能を引き出すためには、AIへの指示文を工夫する「プロンプトエンジニアリング」がよく知られています。しかし、この方法だけでは得られる効果には限りがあります。特に、進化の著しいAI Agent(AIが自律的に動く仕組み)を仕事で使うには、単なる指示だけでなく、AIが参照すべき「コンテキスト(文脈や背景情報)」をきちんと設計するという、より深く踏み込んだ方法が必要とされています。

プロンプトとコンテキストの比較図

コンテキストエンジニアリングの具体的なアプローチ

実際の業務でAIを有効活用するには、コンテキストエンジニアリングが欠かせません。このアプローチでは、「システムプロンプト」「プロンプトエンジニアリング」「RAG(検索拡張生成)」「長期記憶」「短期記憶」「利用可能ツール(構造化出力)」という6つの要素を連携させます。さらに、「分割」「選択」「圧縮」「書き出し」の4つの主要なプロセスを統合的に実行することで、AI Agentが自律的に業務を進められるようになります。

コンテキストの構成要素図

市村氏は、コンテキストエンジニアリングがAIが扱う文脈そのものを設計の対象とすることで、人間が関わる部分を最小限にし、業務の効率化と価値向上を持続的に実現できると提言しました。この方法が、それぞれの業務に最適化された「自律的なAI Agent」の実現につながると考えられています。

コンテキストが描く未来図

市村健太氏のコメントと株式会社アップグレードの取り組み

市村氏は、「IF Con Tokyo 2025」のような先進的な場で講演する機会を得られたことを光栄に思うと述べました。多くの企業がAIのPoC段階で止まってしまう課題に対し、単にAIツールを導入するだけでなく、業務プロセス全体を見据えたコンテキストエンジニアリングの重要性を伝えたとのことです。

講演する市村健太氏

株式会社アップグレードはDifyの公式パートナーとして、技術とビジネス現場の橋渡し役を担っています。日本企業の生産性向上と自律的なAI Agentの実現に向けて、技術ブログを通じた情報発信や実践的な解決策を提供し続けるとしています。

Difyについて

Difyは、株式会社LangGeniusが提供するAIアプリケーション開発プラットフォームです。プログラミングの知識が少なくても、高度なAIワークフローやAI Agent、RAG(検索拡張生成)の仕組みなどを簡単に作ることができます。直感的に使える画面で、さまざまな業務のニーズに合わせたAIアプリケーションを柔軟に開発できます。Difyは、最新のAIモデルを活用し、AI機能を導入・運用するための新しい基準として、世界中の多くの人や企業に利用されています。

Dify Partnerロゴ

株式会社アップグレードはDifyの公式パートナー企業です。

株式会社アップグレードによる技術ブログ

株式会社アップグレードは、AI開発の現場で得た実践的なノウハウをブログで公開しています。AI Workflow設計、AI Agent開発、RAGシステム構築、各種LLM(大規模言語モデル)の実践的活用手法など、エンジニアやAIの最新情報に興味がある人にとって役立つ情報が満載です。

株式会社アップグレードについて

株式会社アップグレードは、「労働生産性革命」を目標に掲げ、生成AIソリューション事業とリスキリング事業を展開しています。生成AIソリューション事業では、顧客の業務課題を分析し、生成AIを活用したシステムの計画・開発・導入から運用支援までを一貫してサポートしています。

生成AIの全社定着を促進する図

  • 会社名:株式会社アップグレード

  • URL:https://upgradeinc.co.jp/

  • 設立:2021年7月20日

  • 代表者:市村健太

  • 所在地:東京都品川区東五反田2-9-5 サウスウイング5F

  • 事業内容:生成AIソリューション事業、リスキリング事業

本サービスに関する詳しい情報やご相談は、以下のウェブサイトのお問い合わせフォームから連絡できます。

株式会社アップグレード 公式サイト

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