日立プラントサービス、工場・研究施設のエネルギー管理システムFEMSを2026年4月に強化
日立プラントサービスは、2026年4月からFEMS(Facility & Energy Management System)のエネルギー管理機能をさらに高めると発表しました。この強化により、工場や研究施設における設備の運用データとエネルギー使用量などのデータを、まとめて集めて管理できるようになります。日立プラントサービスは、FEMSを「Lumada」という日立のデジタル技術を使ったソリューションとして提供し、お客様の設備をより効率的に動かし、省エネやCO₂排出量の削減をサポートしていきます。
「Lumada」とは、お客様のデータから新しい価値を生み出し、デジタル技術による変化を加速させるための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューションやサービス、テクノロジーをまとめたものです。詳しくは、こちらをご覧ください。

FEMSとは
FEMSは、消費エネルギーを数値でわかりやすくするシステム「Enewatcher」と、設備を監視・制御するシステム「SCADA」でできています。このシステムを使うと、設備や機械の動きを監視したり、動かしたり止めたり、設定を変えたりすることができます。また、何か異常があった時にはすぐにメールで知らせたり、決まった形の報告書を作ったり、高度なエネルギー管理を行ったりすることも可能です。
FEMSを導入する際は、無線ネットワークを使うことで初期費用を抑えることができます。お客様自身で簡単に設定を変えられ、複数の事業所のデータを一か所で管理できるのも特徴です。省エネやCO₂削減のための機能も簡単に追加できるため、施設を柔軟に運用できます。
FEMSやEnewatcherに関する情報は、以下のウェブサイトで確認できます。
エネルギー管理機能の強化点
1. 日別・月別の管理目標値設定と警報メール送信機能
これまで時間ごとに設定できたエネルギー使用量の管理目標値に加えて、新たに日ごとや月ごとの目標値も設定できるようになりました。これにより、エネルギーを使いすぎた場合の対策が、より柔軟にできるようになります。もし目標値を超えそうな場合は、メールで知らせてくれる機能も追加されました。
管理目標値とは、目指すべき具体的な数値目標のことです。Enewatcherでは、エネルギー使用量の比較評価やメール通知の基準として使われます。

例えば、前の年の月ごとの光熱費のデータをもとに目標値を設定しておけば、月の初めにコストが目標を超えそうだとすぐにわかります。また、理論的なエネルギー使用量を計算できる機械であれば、想定外のエネルギー増加も検知できるでしょう。
2. ヒストグラム表示機能
これまでのEnewatcherにあった散布図機能に加えて、お客様の要望に応えて「ヒストグラム」という表示機能が追加されました。これは、ある期間のデータを比較し、より簡単に、目で見て分析できるようにする機能です。
ヒストグラムとは、データを一定の範囲ごとに区切り、それぞれの累積時間を棒グラフで示すことで、データのばらつきや全体の傾向を感覚的に把握できるグラフです。

この機能を使うと、似たような機械や生産ラインのエネルギー使用量を比べたり、特に消費量が多い機械や生産ラインを見つけ出したりできます。さらに、曜日や時間帯、生産している時としていない時など、様々な条件でデータを絞り込むことで、省エネ対策の効果を視覚的に、そして具体的な数値で評価できるようになります。これにより、エネルギー管理者や施設の管理者だけでなく、生産部門の担当者も効率的なエネルギー管理ができるようになります。
今後の展望
日立プラントサービスは、今回のエネルギー管理機能の強化だけでなく、今後もお客様の要望に合わせて機能や使いやすさの向上を進めていく予定です。日立のコネクティブインダストリーズ(CI)セクターの一員として、デジタルサービス「HMAX Industry」の提供を通じて、現場で働く人々の業務をさらに良くしていくことに貢献します。


