建設業界、人手不足の正体は「人数」だけではない?BIM活用で現場改善に手応え
野原グループのBuildApp総合研究所は、建設業界の「2024年問題」や「2025年問題」に対する考え方、そして施工BIMの実際の活用状況について、全国の建設従事者1,000名を対象に意識調査を実施しました(2025年11月14日~21日)。
今回の調査では、施工BIMを導入することで「現場は改善する」と答えた建設従事者が6割に上り、前回の調査結果(2025年4月)の約3割から大幅に増加しました。これは、建設業界におけるデジタル技術の活用が次の段階に入りつつあることを示しています。
調査の主なポイント
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「2025年問題」を89.1%が認知し、その内容を63.0%が理解しています。特に内容をよく理解している層の92.0%が技術継承に不安を感じており、若手育成や仕組みづくり、人手不足が背景にあると考えられます。
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働き方改革により、時間外労働の上限規制後には55.3%が休日日数、残業時間、安全面の改善を実感しています。しかし、人手不足を感じる人は67.3%と依然として高い水準です。
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デジタル技術の導入で「現場は改善する」と60.7%が回答しました。デジタル化の進んでいる現場ほど、改善を強く実感する傾向にあります。
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BIM導入の課題としては、導入コスト(44.9%)、教育・研修の不足(36.8%)、現場の理解・意識(36.5%)が上位を占めました。
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設計BIMの情報は、施工計画(43.2%)、可視化(40.0%)、施工管理(34.7%)、数量拾い(29.5%)などに活用されています。活用項目が増えるほど、具体的なメリットを感じているようです。
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設計BIMから施工BIMへの連携における課題は、情報の不足・不整合(42.0%)、関係者間の連携不足(36.5%)、人材・スキル不足(36.0%)が挙げられました。
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施工BIMの主なメリットは、作業手順の可視化による安全性向上(42.0%)、工程・作業効率の向上(41.9%)、情報共有の円滑化(44.0%)、手戻り・ミスの削減(32.0%)です。
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BIMは技術継承に「役立つ」と69.3%が評価しています。一方で、教育時間の不足や標準化の遅れから、「役立たない」と回答した人も30.7%いました。
調査結果の詳細
「2025年問題」の認知度と技術継承への不安
建設業界では、「2025年問題」が広く認知されており、89.1%がその存在を知っています。内容まで理解している人は63.0%です。この問題の内容を深く理解している人ほど、技術継承に対して強い不安を感じています。


働き方改革の効果と人手不足感
働き方改革の取り組みにより、55.3%の人が休日日数や残業時間、安全面が改善されたと実感しています。しかし、人手不足を感じている人は67.3%と、依然として高い割合を占めています。


デジタル導入による現場改善の実感
デジタル技術を導入することで「現場は改善する」と回答した人は60.7%に達しました。特に、デジタル導入の実感が強い人ほど、現場改善への手応えを感じています。

BIM導入の課題
BIM導入にあたっては、導入コストが最も大きな課題として挙げられ(44.9%)、次いで教育・研修の不足(36.8%)、現場の理解・意識(36.5%)が続きます。
設計BIM情報の施工段階での活用
設計BIMの情報は、施工計画の立案(43.2%)、仮設計画や施工手順の可視化(40.0%)、現場での施工管理(34.7%)など、様々な施工段階で活用されています。

設計から施工BIMへの連携課題
設計段階のBIM情報を施工段階で活用する際には、情報の不足や不整合(42.0%)、関係者間の連携不足(36.5%)、BIM担当者の人材・スキル不足(36.0%)が課題となっています。

施工BIMの主なメリット
施工BIMを導入することで、作業手順の可視化による安全性向上(42.0%)、工程管理の精度向上(39.5%)、材料・数量の正確な把握(38.8%)、手戻りやミスの削減(32.0%)といったメリットが感じられています。

BIMと技術継承
BIMが技術継承に「役立つ」と評価している人は69.3%に上ります。しかし、教育時間の不足や標準化の遅れが、BIMの技術継承への貢献を妨げている要因とも考えられます。

BuildApp総合研究所とBuildAppについて
BuildApp総合研究所は、建設産業におけるデジタル技術の活用とサプライチェーンの変革を目指し、2024年12月に設立されました。建設DXやデジタルツールの活用方法に関する情報発信を行っています。
「BuildApp(ビルドアップ)」は、BIM設計データを活用し、建設工程全体の生産性向上を実現するクラウドサービスです。設計積算から生産・流通・施工管理・維持管理までをBIMでつなぎ、各プレイヤーに合わせたサービスを提供します。これにより、設計・施工の手間や手戻りをなくし、コスト削減や廃棄物・CO2削減に貢献することを目指しています。

2025年2月からは、新サービス「BuildApp 内装 建材数量・手配サービス」の商用提供が開始されました。このサービスは、建材の発注数量算出や施工情報の自動アウトプットを可能にし、内装仕上工事におけるBIM化の推進をサポートします。

関連情報
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BuildApp WEB: https://build-app.jp/
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野原グループ株式会社について: https://nohara-inc.co.jp
過去の関連調査
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働き方改革の“成果”は現場に届いたか ~2024年問題からイマの現場リアルは: https://nohara-inc.co.jp/news/release/10881/
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「建設2025年問題」が建設業界に突きつける現実―技術継承と人材不足の壁 熟練技術者の大量退職で「技術継承に不安」9割超、若手定着と教育体制に課題: https://nohara-inc.co.jp/news/release/10967/
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【独自調査】建設DX、半数以上がデジタル化に着手、約3割が効果を実感(2025年4月調査): https://nohara-inc.co.jp/news/release/10305/


