安井建築設計事務所、BIM-省エネ計算プログラムを開発 2025年省エネ基準適合義務化と2026年BIM図面審査に対応
安井建築設計事務所の設計領域であるデジタル×デザイン ワークス(DDW)は、2025年度に義務化される省エネ基準適合や、2026年から本格的に導入される「BIM図面審査」にスムーズに対応するための新しいプログラムを開発しました。
このプログラムは、「BIM-省エネ計算プログラム」と呼ばれ、建築物の3Dモデル(Autodesk RevitのBIMモデル)から、省エネ計算(標準入力法)に必要な情報を高い精度で自動的に取り出すことができます。実際にBIM図面審査用のモデルで試したところ、外壁などの情報(外皮情報)を約95%の確率で取得し、建物の省エネ性能を示すBPI(Building Palstar Index)の誤差も0.1以内という、非常に高い精度が確認されています。

開発の背景
建築業界では、2025年度から省エネ基準の適合が義務付けられ、さらに2026年には「BIM図面審査」が本格的に始まります。これにより、設計や申請のプロセスにおいて、統一されたBIMモデルと省エネ計算を両方行うことが求められるようになります。
これまでの省エネ計算を支援するツールでは、省エネ計算専用のBIMモデルを別途作らなければならず、プロジェクトを進める上で大きな手間と時間がかかっていました。この課題を解決するため、今回のプログラムが開発されました。
プログラムの主な特長
このプログラムの大きな特長は、通常の設計プロセスやBIM図面審査で使うRevitモデルをそのまま利用して、省エネ計算ができる点です。新しく計算用のモデルを作り直す必要がありません。
BIM図面審査用のサンプルモデルを使った検証では、必要な外皮情報の約95%を自動で取得し、BPIについてもほとんど誤差がない高い精度が確認されています。これにより、BIMを使った設計の過程で、一つのBIMモデルを使いながら省エネ性能を確認し、そのまま申請へと進めることが可能になります。
省エネ計算と建築確認申請をスムーズに連携させることで、設計の効率化と、環境に配慮した建築の推進を同時に実現します。
革新的な自動化機能
本プログラムには、以下のような画期的な自動化機能が搭載されています。
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建物単位で外壁を自動的に分割し、省エネ計算に最適な形にします。
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Revitに設定された建物の配置情報から、方位を自動で取得します。
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取得した外壁などの情報を、3Dの画面で目で見て確認できるようにします。
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国立研究開発法人建築研究所が公開している「建築物のエネルギー消費性能計算プログラム」(通称WEBPRO)の入力シートへ、計算結果を自動で書き込みます。
今後の展望
このプログラムを活用することで、省エネ性能を確認しながら、質の高い環境に優しい建築物を計画し、実現することが可能になります。さらに、BIMモデルを有効活用することで、建物の維持管理や、CO2排出量削減を目指す「脱炭素」に向けたデジタルツイン(現実の世界を仮想空間に再現する技術)の展開にもつなげることができます。
事業の初期段階から環境性能の将来像を見据えることができるこのプログラムは、クライアントの事業価値を高めるだけでなく、周辺地域全体の環境づくりにも貢献することが期待されます。
関連情報
安井建築設計事務所の取り組みについては、以下のページもご覧ください。


