九州電力とLiberawareが資本業務提携を締結、ドローンで社会インフラDXを加速

九州電力とLiberawareがドローンで社会インフラDXを推進

九州電力株式会社(以下、九州電力)と株式会社Liberaware(以下、リベラウェア)は、本日、資本業務提携を締結しました。この提携は、九州電力が保有する発電所などの施設を活用し、ドローン機体やソフトウェアを共同で開発することで、電力設備を含む社会インフラのデジタル変革(DX)を進め、ドローンの社会での利用を広げることを目的としています。

九州電力 x Liberaware 資本業務提携、九電ドローンサービス x Liberaware IBIS2販売店契約

また、九州電力グループの九電ドローンサービス株式会社(以下、QDS)は、リベラウェアと販売代理店「Gold Partner」契約を結びました。これにより、屋内などの狭い場所の点検に特化した世界最小級の産業用ドローン「IBIS2」を九州地方でさらに普及させ、九州から全国へ「次世代の安全なインフラのあり方」を広めていくことを目指します。

提携の背景と目的

九州電力グループは、「九電グループ経営ビジョン2035」で「エネルギーから未来を拓く ~九州とともに、そして世界へ~」を掲げ、電力の安定供給と地域の安全・安心に役立つ価値創造を進めています。長年にわたる設備を保つ技術や現場での経験が、地域社会を支える大きな強みです。

一方、リベラウェアは「誰もが安全な社会を作る」を目標に掲げ、「IBIS2」を開発。社会インフラの「目に見えない危険」を見える化する活動に取り組んできました。

今回の提携と契約により、九州電力グループが持つ電力インフラ点検の知識とリベラウェアのドローン・AI解析技術が合わさることで、より高度で安全なインフラ維持管理を実現するための新しい解決策の開発と、それを社会で活用する動きを加速させます。

これら3社は、災害への対応やインフラの強靭化など、幅広い社会の課題解決に貢献することで、「次世代の安全なインフラのあり方」を九州から全国、そして世界へと発信していくことを目指しています。

資本業務提携を通じた具体的な取り組み

今後も、協力する範囲を広げ、会社の価値を高めるための取り組みを検討し続けます。具体的な取り組みは以下の通りです。

  • 九州地域を中心に、電力インフラ設備の点検を協力して行い、持続可能なインフラ維持管理の仕組みを作る

  • ドローンやロボットなどを活用し、電力事業の点検や保守の質を高める

  • デジタルツイン(現実の世界を仮想空間に再現する技術)を点検・保守・管理の分野でさらに活用する

  • 電力設備の点検(特に屋内など)に特化したハードウェアとソフトウェアサービスを共同で開発する

QDSによる「IBIS2」の利用拡大

QDSとリベラウェアはこれまでも、「IBIS2」を使った下水道設備の調査や実証実験、インフラ設備の安全で効率的な点検のための画像処理技術の検証、機体開発時の共同実証など、様々な形で協力してきました。

「Gold Partner」契約の締結により、QDSは九州地方の自治体やインフラ点検を行う企業への提案活動をさらに強化し、「IBIS2」を使った次世代の点検ソリューションの普及を進めます。

QDSは、これまでのインフラ点検で培った知識と高いドローン操縦技術を活かし、「IBIS2」の販売から現場でのサポートまでを一貫して提供します。また、ドローンで集めた画像データと、リベラウェアが提供するソフトウェア(AI解析や画像処理技術など)を組み合わせることで、設備点検の省力化と高度化を実現します。

QDSとリベラウェアのこれまでの連携事例

① 九州エリアにおける下水道点検

佐賀県や長崎県など九州エリアで、下水道設備の調査・点検を協力して実施しました。

インフラ点検、水路内部と3Dスキャンデータ

② IBIS2のアシスト機能の検証

「IBIS2」にホバリングアシスト機能(機体の上下方向の操縦をサポートする機能)を追加する際、広い設備と人材を使って評価・検証を行いました。

産業施設内でドローンがパイプ近くにある様子

③ 画像処理技術を活用したCIM検証

異なる撮影方法で動画を撮影し、それぞれから点群データとCIMデータ(建設現場の計画・施工・維持管理を一体的に扱うための3Dモデルを含む情報データ)を作成し、比較検証を実施しました。

工業施設の3Dモデル、点群データ

会社概要

九州電力株式会社

九州電力グループは、「ずっと先まで、明るくしたい。」というブランドメッセージのもと、安くて質の良いエネルギーをお客様に届け、お客様や地域社会の生活や経済活動を支えることを使命としています。安定供給を支える通信ネットワークや情報システムの技術を活かし、ICTサービスを提供。社会のデジタル化が進む中で、この取り組みを進めています。

公式サイト:https://www.kyuden.co.jp/

九電ドローンサービス株式会社

2024年4月に設立されました。九州電力株式会社の社内設備点検でドローンやロボットの活用に取り組み、多くの機体と操縦士を抱えています。今後は全国の地域社会の課題解決に貢献するため、これまでのサービスに加え、新しい点検・測量サービスの開発・提供や、特許を持つ独自のソフトウェアの販売などを予定しています。

公式サイト:https://www.kyuden-drone.co.jp/

株式会社Liberaware

「誰もが安全な社会を作る」を目標に掲げ、世界でも珍しい「狭くて、暗くて、危険な」屋内空間の点検・計測に特化した世界最小級のドローン開発を行っています。また、そのドローンで集めた画像データを解析し、お客様に提供するインフラ点検・維持管理の解決策も提供しています。「目に見えない危険を見える化する」というビジョンのもと、安全で平和な社会の実現に力を入れています。

公式サイト:https://liberaware.co.jp/
Xアカウント:https://x.com/liberaware

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