石狩再エネデータセンター第1号とニュートラDCシンガポールが提携、北海道とアジアをつなぐデジタル基盤強化へ
北海道石狩とアジアを結ぶ新たなデジタルインフラの構築
合同会社石狩再エネデータセンター第1号は、シンガポールに本社を置くニュートラDCシンガポールと、戦略的提携に関する覚書を締結しました。この提携は、北海道石狩とアジアの主要都市であるシンガポール、インドネシアをネットワークでつなぎ、デジタルインフラとAIコンピューティング事業を広げていくことを目的としています。
具体的には、石狩再エネデータセンター第1号の利用者が、シンガポールやインドネシアでもサービスを展開できるよう、両国にまたがるデジタルインフラを提供します。また、シンガポールやインドネシアから、北海道石狩にあるデータセンターやGPU(画像処理装置)の利用者を呼び込むことも目指しています。

覚書で合意された主な内容
この覚書には、主に以下の5つの項目が含まれています。
- コロケーションサービスの相互提供: ニュートラDCシンガポールは、シンガポールとインドネシアにあるデータセンターで、石狩再エネデータセンター第1号のユーザー向けにコロケーションサービス(データセンターの設備を共同利用するサービス)を提供します。
- ネットワーク接続の強化: 2026年8月に北海道石狩から東京大手町間で開通する、高速な通信ネットワークであるIOWN(APN)を活用し、ニュートラDCシンガポールのネットワーク拠点(POP)を石狩再エネデータセンター第1号の建物内に設置できるよう支援します。これにより、北海道石狩とシンガポール間で「Neutra Connect」(ニュートラDCが提供する強力なデジタルプラットフォームサービス)の利用を目指します。
- 日本市場への進出支援: ニュートラDCシンガポールは日本への進出において北海道を適した場所と考えており、石狩再エネデータセンター第1号は、ニュートラDCシンガポールが自社用のデータホール利用や、石狩新港地域にあるRE100ゾーンでの新たなデータセンター事業の検討を支援します。
- クロスボーダーGPU-as-a-Service(GaaS)の共同開発: 両社は、国境を越えたGPUサービスである「GPU-as-a-Service(GaaS)」を共同で開発・推進します。ニュートラDCシンガポールは主にGPUシステムの設計やAIコンピューティングサービスの構築・運用を担い、北海道石狩で「Neutra Compute」(ニュートラDCが提供する高性能GPUを用いたGaaS)の利用を目指します。石狩再エネデータセンター第1号は、GaaSの実現に必要なインフラの構築支援と顧客の開拓を担当します。これにより、低遅延で安全性の高いGPUサービスを、北海道石狩とシンガポールを結ぶネットワークを通じて提供します。
- 北海道庁への期待: これらの取り組みを進めるにあたり、北海道庁の協力と支援が期待されています。ニュートラDCシンガポールは、すでに北海道庁主催の商談会に参加し、石狩を視察しています。

石狩再エネデータセンター第1号について
石狩再エネデータセンター第1号は、総務省の助成事業を活用し、2026年4月の開業を目指しています。東急不動産株式会社、株式会社Flower Communications、アジリティー・アセット・アドバイザーズ株式会社が中心となり、延床面積11,093㎡、受電容量15MW、ラック数1140ラックのデータセンターを建設しています。
ニュートラDC(NeutraDC)について
ニュートラDCは、インドネシアの大手通信会社Telkom Indonesiaの子会社であるPT Telkom Data Ekosistemのブランドです。インドネシアとシンガポールで合計33のデータセンターを運営しており、大規模なデータセンターや、各地に分散する小規模なエッジデータセンターを含んでいます。現在、インドネシアのバタム島では、さらに新しい大規模データセンターの開発も進められています。ニュートラDCは、インドネシアの1億8,500万人以上のデジタルユーザーへのアクセスを支え、世界中の企業や大規模顧客にデータセンターサービスを提供しています。
この提携により、北海道石狩がアジアとつながるデジタルインフラの拠点となり、AIコンピューティング分野での国際的な連携がさらに進むことが期待されます。



